暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-13 仲間との絆
Story13-9 黒白の閃光
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る煙幕だ。

それらはモクモクと広がっていき、空域を覆い尽くす。

黒雲は地上にも及び、さぁっと周囲が薄暗くなった。

みるみる視界が悪くなる中、突然、耳元で囁き声がする。


「リーファ、ちょっと借りるぞ」

「わっ!?」

キリトはリーファの腰の鞘から剣を抜いた。


その時、

「時間稼ぎのつもりかァ!!」

厚い煙の中央からユージーンの叫びが響き渡った。

次いで、スペルの詠唱が耳に届く。


すぱっ!と赤い光の帯が放射状に迸り、黒煙を切り裂いた。


無効化された煙が忽ち薄れ、視界が戻る。

空にホバリングするのはユージーンひとりだけ。

キリトを探しているようだが、見つけられないようだ。


ケットシーの一人が呆然と呟く声が聞こえる。


「まさか、あいつ、逃げ……」

「そんなわけない!!」

リーファの強い否定の叫びが聞こえた。


そして、高らかな笛の音に似た、力強いその飛翔音。

近づいてくる。そして、どんどん大きく。

そこには、キリトの姿があった。

「またせたな!」

「ふっ、剣が一本増えた程度で!」


キリトの二刀装備を苦し紛れと見たか、ユージーンの頬に不敵な笑みが浮かんだ。

ユージーンの魔剣が、重々しい唸りを上げて振り抜かれる。


交差する軌道で、キリトが左手の刀を振り降ろす。


ぶん、と赤黒い剣が振動した。

エセリアルシフトによって透過した刃が、吸い込まれるようにキリトの首筋へ…………届かなかった。


ユージーンの剣はぎゃいん!と鋭い金属音と共に、その切っ先が大きく弾かれた。


受け止めたのは、キリトが僅かな時間差で斬り上げた右手の剣だ。

針の穴を通すような、完璧なタイミング。

驚愕の気配を洩らすユージーンに向けて、キリトが雷鳴のような雄叫びを放った。

「お……おおおおああああーーーー!!」

直後、両手の剣が、霞む程の速度で次々に打ち出された。

左の刀が滑らかに切り払い、それと完全に連動して右の愛刀が突き出される。

それを引き戻しつつ、再び刀が左下から飛ぶ。

同じ軌道を戻る刃に引かれるように剣の攻撃が叩き込まれる。

二本の剣光が融けあい、その連続攻撃はまるで夜空にいくつもの流星が飛んでいるかのようだった。


ユージーンは後退しつつもシフト攻撃を多用して対抗しようとするが、連続での透過ができないようで、次々と二段構えのパリィに弾き返される。

「ぬ……おおおお!!」

地上に向けてどんどん押し込まれるユージーンが野太い方向を放った。


防具の特殊効果か、薄い炎の壁が半球上に放射され、僅かにキリトを押し戻
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