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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-13 仲間との絆
Story13-9 黒白の閃光
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に話がある!」

あまりに大胆不敵なその声と態度に、圧倒されたかのようなサラマンダーのランス隊の輪が割れた。

空に開いたその道を、1人の大柄な戦士が進み出てくる。


炎色の短髪を剣山のようにつんつんと逆立て、浅黒い肌に猛禽に似た鋭い顔立ち。

その逞しい体を、赤銅色をしたアーマーに包み、背にはキリトのものに勝るとも劣らぬ剣を装備している。


彼はキリトの方を見ると、そのままガシャッと音をさせて彼の前に着地した。

サラマンダー領主モーティマーの弟、ユージーンだ。


ユージーンは無表情のまま、キリトを高い位置から睥睨した。

よく通る太い声が流れた。


「スプリガンがこんなところで、何をしている。

どちらにせよ殺すには変わりないが、その度胸に免じて話だけは聞いてやろう」

キリトは臆する風もなく、大声で答えた。

「俺の名はキリト。

ウンディーネとスプリガンの同盟の大使だ。この場で襲うということは我々4種族を敵にするということでいいんだな?」

――うわぁ……ハッタリにも程があるでしょ…………

「ウンディーネとスプリガンの同盟の大使が、護衛の一人もいない貴様だと言うのか」

「この場にはシルフ・ケットシーとの貿易交渉に来ただけだからな。

だが会議が襲われたとなればそれだけじゃすまないぞ。

4種族同盟を結んでサラマンダーに対抗することになるだろう」


そこで、しばしの沈黙が世界を覆った。


やがて

「たった一人、たいした装備も持たない貴様の言葉を、にわかに信じるわけにはいかないな」

ユージーンは背に手を回すと、巨大な両手剣を音高く抜き放った。

暗い赤に輝く刀身に、二匹の龍の象嵌が見て取れる。


「お前が30秒間俺の攻撃に耐え切ったら大使だと認めてやろう」

「ずいぶん気前がいいね」

キリトも背から愛刀を抜いた。

こちらは鈍い鉄色、装飾の類は一切ない。

翅を振動させて浮き上がり、ユージーンと同じ高度でキリトがホバリングする。

――30秒……大丈夫かな、キリト君…………

「不味いな……」

「どうしたの、サクヤ?」

「あの両手剣……おそらく《魔剣グラム》だろう。
なら、彼がユージーン将軍……ALOプレイヤーの中では最強クラスのプレイヤーだ」


リーファとサクヤの会話の間も、空中で対峙する2人の戦士は相手の実力を測るかのように長い間睨み合っていた。


高原の上を低く流れる雲が、傾き始めた日差しを遮って幾筋もの光の柱を作り出している。

そのひとつがユージーンの剣に当たり、眩く反射した、その瞬間。


予備動作なくユージーンが動いた。


びぃん!と空気
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