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寄生捕喰者とツインテール
告げられるは詳細
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でもある、桜川尊が角から飛び出さんばかりの勢いで走ってきた。


「はぁはぁ……お嬢―――さまっ?」
「あっ」
「……………………あ」


 会長が心配で必死に飛び込んできたは良いのだが、その会長は地面に寝かされ、傍には紫色の少女グラトニーが何をするでもなく棒立ち、少しばかり離れた場所には愛香を抱いた総二の姿。

 一体どうなったらこんな光景が広がるのか等想像できる筈も無く、突発的に思考が混沌としても仕方が無い。

 それを察して総二も思わず中身の無い音を呟いてしまったのだ……グラトニーは一応自分も驚いておかねばと思ったか、何度も振り向いてからの棒読みにも近い呟きだったのだが。


 だが、沈黙は数秒と続かなかった。


「……言いたい事、聞きたい事は山ほどあるが、今はお嬢様の御身と津辺君の容体確認が先だな。そちらは運べるな? 観束君」
「え? あ、あっ、はい」
「なら家かそれとも休憩所か……君たちの事情を考えれば、拠点と言うのが正しいか」
「何を言ってるんですか?」
「隠さなくても良いぞ観束君―――いや、テイルレッドといった方がいいか」
「!」


 何故今来たばかりなのにそれを……総二はそう言いたかった。
 だが、考えてみれば会長がテイルレッドを追いかけたのぐらいは予想が付いているだろうし、総二の格好から言って会長に襲いかかったとは考えにくいし、気絶した津辺愛香に何故か突っ立っているグラトニーが居る。
 恐らくは光も見えただろうしで、判断材料が多かったからこそ、此処まで推理できたのかもしれない。

 かなり早い桜川教員の切り替えを受けて、落ちつこうとしていた総二が逆に呆然として生返事となってしまい、続く言葉にも馬鹿正直に驚愕の色を浮かべ、呆然としてしまう。


「案内してくれ。事情から察すれば、そこでゆっくり話した方が良いだろうな」

『招いても良いですよ総二様。寧ろここまで隠し切れていたのは奇跡ですしね』

  
 何とか聞こえた単語を整理して、連れて行っても良いのかどうか確認しようとするも、その前にトゥアールは許可を出した為、総二は面倒事消化と許可承諾をクリアした事でひとまず安どし溜息を吐く。


 ……その後聞こえてきた荒い呼吸は聞かなかった事にして。


「あの、今回の事は秘密にしてくれると……」
「分かっているさ。侵略してくる変態共と、それこそなんら変わらん変態達が中心となっている世間でのあの馬鹿騒ぎ、これを公表したならどんな事が起こるか容易に想像が付く」
「先生……」


 火を見るより明らかなのは当然のこと。
 阿鼻叫喚の大騒ぎやテイルレッドへの幻滅、非難轟々浴びせられるだろうこともあるが、もしかすると開き直る上級者まで出てくる始末となる可能
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