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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-29
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落ち着かない様子だった。セシリアとシャルロットは単純に一夏の身の安全を願う。箒は昔の姉とは一変してしまった束の姿にショックを受けている。
(…………ねえ、甲龍。あたしがまだ
二次移行
(
セカンド・シフト
)
出来ないのは、ちゃんと機体を信じ切れていないからなんだね。ごめんね、こんなあたしで。許してね、これからちゃんと信じれるように頑張るから)
きらっと鈴音のつけているブレスレットが光った。
◯
「れんくん、あともう少しで戦闘区域に乱入者が来るからそいつ任せていい?」
『ああ問題ないが……何だ織斑の奴か。んじゃあ、そっち任せるぞ』
「うん」
束が福音との戦闘区域を素早く抜けて一夏が通るであろうルートを予測して戦闘区域から五百メートルの位置で止まる。一分もたたないうちに旅館の方角から何かが飛んでくる。
今まで何も武装を出さなかった束がここで初めて展開する。両手に粒子の光が集まって構築されたのは、二振りの日本刀に近い形をした剣。それらを特段構えることなく自然体で一夏を待ち受ける。
「束さん!?」
「やあやあ。さっきぶりだね、どうしてここに来たのかな?」
「そんなもの決まってる。この先にいるみんなを助けるためだ。だからこの先に行きたいんだけど……もしかして束さんも?」
一夏の問いかけに静かに首を横に振る束。そして何かを諦めたように、それでいて呆れたように一夏に言う。
「あのね、この先にはあの子たちは来てないよ。それぐらいビーコンの信号で分からないかな?」
「え? あ、本当だ。…………よかった。束さん」
「……何?」
「たとえこの先にみんながいなくても俺は行かなくちゃいけない。福音は助けを求めていたから、俺は福音を助ける」
「あの子が助けを求めた? うふふふ、あはは、あははは、あーーっはっはっはっ!!!!! そんなわけない。だってあのコアの人格はもう死んでいるんだから」
「…………?」
「別にわからなくてもいいよ。今君が理解するべきなのは、この天才である束さんが君の敵であることだけだよっ!」
戸惑いを隠せない一夏に向かって束は、一気に
瞬時加速
(
イグニッション・ブースト
)
を用いて肉薄する。そのままがら空きの脇腹に向けて蹴り込む。
「ぐわあっ!!」
からだをくの字に折り曲げながら吹っ飛んでいく一夏。何とか体勢を立て直すことに成功し、束と相対する。その瞳はようやく彼女を敵と認識していた。そんな瞳を見て束はにやりと頬を釣り上げる。
一夏は束を敵と認識したものはいいものの、まだ心のどこかで躊躇いがある事にも気づいていた。でも、それでも戦わなくちゃいけない。それに聞きたいこともある。
勝てるかどうかは分からない。圧倒的に格上
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