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魔法少女リリカルなのは 桜色の星光と黒き月光と紅い炎
第三話
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づいていた。
「おい! ここは時空管理局の施設だ! 立ち入りの許可が無い者は入れないぞ! 引き返せ!」
声を掛けながら、守衛を務める男は歩いてくる二人を不信感を募らせ待機状態のデバイスを手に取った。
この施設の周りには民間施設は存在しない。ならば近づいてくる二人もこの施設に用があるはずだが、見えたきた二人の容姿がどう見ても管理局の関係者に見えなかった。
「おい! 聞いているのか!?」
一人は白い長髪を後ろに流し、白い顎髭を生やした見慣れない服を着た老人。
もう一人が灰色の髪に、こちらも見慣れない飾りを下げた民族衣装を着た少年。
二人は守衛の言葉など聞こえないかのように着実に近づいていた。
(まったく……厄介事か……)
いつもは通る人間のチェックし、”不審な荷物”が運ばれてきても見て見ぬふりをするだけ。それだけの仕事だった。
それが今日に限って━━━━っと、内心で愚痴りながらとうとう門のところまで来た二人に守衛はデバイスを突きつけた。
「おい! 聞いて━━━━」
「聞く必要は無い……」
声を張り上げた瞬間、キンッ……と、小さな金属音が響いた。釣られるように守衛が下を見れば、老人が僅かに曲がった黒い棒のような物を両手で握っていた。
「……?」
同時に守衛は両腕に違和感を覚え視線を更に下げ━━━━。
「あ……あ……?」
自分の両腕とデバイスが地面に落ちるのを見た。
「ぎゃああああああっ!?」
血飛沫と共に悲鳴が上がった。
平和な毎日を……その祈りは、届かない。
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