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魔法少女リリカルなのは 桜色の星光と黒き月光と紅い炎
第三話
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「なんだ? 随分と小さな主よな」
視界に映る全てが燃えていた。少女の周りは当然、巨大な火柱が幾本も立ち上り空すら焼いていた。
「我の名が聞きたいか? そうだろうな小さき主よ。だが、足りぬ。今のお主では我を振るうには足りんよ」
その言葉に少女が炎の壁を睨みつけるが、突如吹き付けた風に押しやられた。
「力だけでは半分。意思だけでは半分。その両方が足りねば我を使うには足りん。忘れるな、未熟者」
「それで? これはどういう状況だ?」
質問攻めを終え、四限の授業までを終えた桔梗は何故か四人の少女━━━━なのは達に囲まれていた。
「転校生が教室の輪に入って来れるように気を遣ってあげてるのよ」
感謝しなさい!━━━━と、でも言いたげなアリサに苦笑しながら桔梗は左から右へと視線を巡らし━━━━。
「てっきり新手のいじめかと思ったのだか……違うのか?」
「そんな訳あるかっ!」
最初に担任からフェイトの隣の、窓際の席を指定された。そこまでは何もなかったが、問題は彼女が自己紹介もそこそこに教室からすぐに居なくなってしまうことだった。
そこでアリサが桔梗の前後の生徒と昼休みに席を譲ってもらいなのは、すずか、フェイトで囲ったのだが━━━━。
「アリサちゃん……これはやっぱり強引だと思うよ?」
「なのは! こうでもしないとこいつはまた逃げるわよ!」
「別に逃げてたわけじゃないんだが……」
桔梗はそう言いながら他の三人を見遣るが、苦笑いを浮かべるばかりで解決はしてくれなさそうだなと諦めアリサに向き直った。
「校内の地理把握の為に歩いていただけで別に逃避行動ではないんだが……」
「案内ぐらいやってあげるわよ」
「他の生徒から変な目で見られるぞ」
そう言って桔梗は自分の左目を指差すが━━━━。
「気にしないわよ、そんなもの」
アリサに一蹴された。
「やれやれ……ならお願いしようか」
「最初っからそういえばいいのよ。ほら、私達だって余裕があるわけじゃないし、とっとと行くわよ」
そう言って立ち上がるアリサに続いて桔梗達も席を立った。
”死神”だったのは過去の話。今はこういう人達が笑っている平和な日々が続いてくれればいい。
かつて炎の中に消えて、今は人間として生きている彼女の願い。
恐らくは誰もが願ったことのあるその祈りは━━━━。
広大な敷地に建てられた白い建築物━━━━時空管理局が保有する研究所の入り口に二人の人影が近
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