第30話 会話が切られるきっかけって大体がクシャミ
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の火傷についての話をする」
そして、俺は過去の体験を全員に語り始めた。
**********
7年前、俺はアメリカに住んでいた。
その時の俺は少し活発な普通の少女だった。
この後、戦いに関わることになるだなんて
考えもしなかったぐらいだ。
「ジェーン、みんなとは仲良くしてるかい?」
この人は俺の父親である。
きりりと通った眉、端整な顔立ち。
自慢じゃないが、なかなか男前な顔立ちだった。
「うん!あれ、お父さんは今からお仕事なの?」
バックの中によくわからない道具を入れている様子から
いつもの仕事に出るのだろうと予想が出来た。
「あぁ。だから、おばさんにはよろしくな。
いい子で待ってるんだぞ?」
「うん!行ってらっしゃ〜い!!」
俺は大きく手を振りながら笑顔で見送った。
そして、今の会話で分かるだろうが
俺には母親がいない。
だが、別に離婚したというわけではない。
病気で亡くなったとのことだ。
とても綺麗で優しい女性だったと聞いている。
そして、母親の代わりに隣のおばさんの家に世話になっている。
おばさんの家には男の子が一人いて、その子とも仲良しだった。
ガチャッ!
「お邪魔しまぁ〜す!マイケル遊ぼー!!」
勢いよく隣の家のドアを開けて
大きな声でこう叫んだ。
「あらあら、今日も元気いっぱいねぇ。
マイケルは先に遊びに行ってるわ。
公園って言ってたから、そこにいるはずよ」
マイケルとは、さっき言った男の子の事である。
まったく、家で待ってるって約束したくせに。
「私も公園行ってくる!」
「あ、ちょっと待って!」
踵を返した俺をおばさんは引き止めた。
俺は振り返って聞いた。
「何?忘れ物?」
「家の鍵はしっかり閉めた?」
行くときに家の窓はすべて閉めて鍵をかけたし
裏口や表のドアの鍵もしっかり確認してきた。
俺は銀色に輝く家の鍵をポケットから取り出した。
「しっかり閉めたよ!」
「そう。じゃあ気を付けてね」
彼女は笑顔でそう言うと家事を再開した。
俺はドアを閉めて、今度こそ公園に向かって走った。
ー公園ー
「よーし、いっくぞーーーッ!」
ドカッ!
蹴り上げたボールは空中に弧を描いて
俺の足元まで飛んできたので、俺はトラップで止めた。
「次はあたしの番だぁ!!」
言い忘れていたが、俺は昔は一人称が“あたし”だった。
俺はドリブルで相手を次々と抜いて行った。
誰も俺を止められないかと思われた。しかし‥‥‥‥
「もらった!」
パシッ!
マイケルは爪先で突くように俺の足元にあったボールを蹴
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