第30話 会話が切られるきっかけって大体がクシャミ
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ジェーンちゃんは女の子なんだから」
そして、片方の手で俺の頭を後ろから撫でた。
俺は彼女に慰められていた。
「それは捨てても、何をしても変わらない」
彼女は俺の頭を撫でながら続けた。
「誰にも頼らずに生きていくなんて無理なんだよ。
それは男の子でも女の子でもいっしょ。
だから、頼っていいんだよ?」
溢れる涙を止める事が出来なかった。
俺はしばらく、声を出すことなく
彼女に抱き着いたまま泣き続けた。
**********
「‥‥‥‥‥グスッ‥‥‥‥ありがとう」
俺は毛布にくるまって体操座りの状態で謝った。
目が腫れて少し痛かった。
「全然いいよ。仲間だもんね♪」
マリーは笑顔で言った。
俺は目を逸らして少し照れた。
「何だよジェーン?お前泣いてたのかよ」
ホークアイは笑いながらそう言った。
何故だかズブ濡れになっている。
「お前、見張りはもういいのか?」
アスラは少し慌てて彼に訊いた。
ホークアイは鼻を軽く啜りながら答えた。
「あぁ、もう空は晴天、とまではいかないが
嵐はすでに過ぎ去ったし雨も止んだよ。
もう見張りは必要な‥‥‥‥ハクションッ!!」
言葉の途中に大きなクシャミをした。
そして、また鼻を大きく啜った。
「クソッ、カッパまでテントに使うはめになった上に
オレは外で見張りをする羽目になるとは
不運にもほどがあ‥‥‥‥‥ハクションッ!!」
要するに、彼がズブ濡れなのは外で見張りをしていたからで
カッパも何も雨具を着ていないから、風邪を引いたと。
「グスッ、どっかタオルないか?」
それを聞いた迅はバックの中を漁ると
タオルを一枚引きずり出した。
「ほら、ホークアイ」
「おっと。ありがと、迅」
投げ渡されたタオルでホークアイは
頭を拭いて水気を拭きとった。
「あーあ、銃まで濡れちまってるよ。弾、大丈夫かな?」
そして、相棒である銃をホルスターから取り出して
銃身の水気を拭きとり、弾倉を取り出した。
「ちくしょう、やっぱ中に置いとけば良かったぜ‥‥‥‥」
そのまま地面に座り込んで銃を分解しながら
ブツブツと何かをつぶやいていた。
「‥‥‥‥ホークアイ!!」
「んおうッ!!?」
こちらに背を向けて銃の整備をしていたので
俺に声をかけられた瞬間、変な声を上げて驚いた。
「な、何だよ!?」
ホークアイはすぐに顔をこちらに向けた。
俺は少し息を吸って心を落ち着かせた。
「‥‥‥みんなも‥‥‥‥聞いてくれ」
そして、着ていた上の服を脱いで
あの火傷の痕が見えるようにした。
「今から‥‥‥‥こ
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