番外編:パラレルワールドに行きます 〜その二〜
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てしまう。
「ははは、笑えばいい。二天龍が今では地に落ちたトカゲ扱いだ。相棒にとってはドラゴンなど皆、等しく爬虫類扱いだ」
「もういい……もう何も言うな!」
「お前も見ただろう? かつて戦場を共に戦ってきた勇ましい友の変わり果てた姿を。あれはもう二度と元には戻らないのだ」
涙ながらに、ドライグは平行世界の自分にこれ以上の発言をするのを止めようとするがもう、“ドライグ”は止まらない。乾いた笑いを上げながらうわ言のように呟き続ける。そして、その異様な光景にも全く気にすることなく、歴代赤龍帝は狂気の宴を行う。
「もう二度と戻らないのなら……せめて、勇ましく散らしてやろう!」
「やめておけ、もう一人の俺」
ドライグはいっそのこと自分が始末した方が情けになるのではないのかと思い、その力を持って歴代赤龍帝を滅せようとする。正直に言うと、自分の所もおかしい状態ではあるのだが、これはレベルが違いすぎる。しかし、平行世界の“ドライグ”はそれを諦め顔で制止しようとする。だが、すでにドライグの口からは赤い閃光が放たれていた。それを受けた歴代赤龍帝は―――
「荒ぶるッ! 昂るッ! この魂ィィィーーッ!」
「混沌も! 変態も! 貴方の前には等しく同じ! しからば、しからば! 鞭打ち、鞭打ち! フォォォォー! すこぶるぞーー! 高まるぞーー!」
「体が物理的にとろけるような、この熱い攻撃…っ! ああ、もう一人のドライグ。私の体をもっと、もっと溶かしてください!」
さらに活性化していた。ドライグは直ぐに考えることを放棄して、自らの暖かな家に帰ろうとする。しかし、その願いは叶わなかった。がっしりと“ドライグ”に掴まれてしまっていたのだ。ドライグはゆっくりと振り返る。すると、掴んだ相手の顔は醜く歪んでいた。まるで―――ようやく道連れを見つけたかのように。
「まあ、もう少しゆっくりしていけ。それと、後でそちらに俺達も行こう」
「や、やめろぉぉぉおおおっ!!」
「安心しろ。すぐに、落ちるさ、くっくっく」
「「「「カオスは加速する!」」」」
その後、その精神世界には一匹の龍の悲鳴が響き渡った。
「なあ、ドライグが帰ってきてから黙ったままなんだけど、あんた何か知ってるか?」
「……覚えとけ、カス。この世界には知らない方がいいことの方が多い」
俺はこの世界の俺の質問に対してため息をはきながらそう返す。あの地獄絵図を見たことがないというのは何とも羨ましい限りだが、まあ、今回はカストカゲも道連れを見つけたせいか、張り切ってやがるからすぐに知ることになる
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