第一部 破滅からの救済者
無印編 駆け出し魔法少女と群青の巨人
青い光
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の元に駆け付けた。着いた時には、彼女たちは大木並の巨大な根に出口を遮られ、逃げ場を失っている。
「やむを得ないか…」
彼は右側に着いていた、二つのウィングが着いていて青いクリスタルの埋め込まれたブレスレット『アグレイター』を天に掲げた。すると、ウィングが二本に別れ、なのはのレイジングハートから発せられていた女性の声ではなく、若い男性の声が再生される。
『Transformation Set up.Please call me passcord』
アグレイターが言い終えると、彼は空に轟くほどの声で叫んだ。
「アグルーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
二つの別れたウィングが一周回ると同時に、彼は青い光に包まれていった。
なのはは恐る恐る目を開けた。ユーノ共々木の根に潰されてしまったのかと思っていた。しかし、自分もユーノも怪我一つ負っていなかった。ただ違っていたのは、自分たちがビルの屋上ではなく、群青色の巨人の手のひらの上に乗っていたことだった。
「!」
手のひらに乗る自分たちを見下ろしている巨人を見て、彼女は思わずレイジングハートを握りしめた。ユーノも体毛を逆立たせている。
だが、彼の乳白色の瞳を見て、手の力が緩んだ。不思議な気分だった。彼の瞳を見ただけで安心できた。
そうか、彼が自分たちを…。
巨人はなのはたちを木の根がまだ来ていない場所へ下ろしてあげた。
「ありがとう…」
巨人は何も言わず、シンリョクの方へ目を向け、身構えた。
巨人の出現はもちろんテレビにも映されていた。高町家でも同じである。
シンリョクと対峙する青い巨人を背景に、吉井という名前の女性キャスターがカメラに向かって慌てた様子で実況中継している。
『こ、これは驚きました!巨人です!突然光が視界を遮ったかと思ったら、青い巨人が現れました!あまりにも驚くべき光景で私、夢でも見ているかのようです!』
「なんだ、あれ…特撮ドラマの撮影か…?」
風呂上がりなためか、タオルで顔を拭きながら士郎がテレビを睨んでいる。
恭也に美由紀、そしてなのはそっくりの母桃子も、胸に手を当てて不安そうに見ていた。あの青い巨人は、ある世界でこう呼ばれていた。
その巨人の名は…『ウルトラマンアグル』
「ディア!」
シンリョクに向けて身構えたままの青い巨人アグル。しばらく様子を見た後、アグルはシンリョクに向かって走り出すと、シンリョクは近づかせまいとエネルギー弾をアグルに向けて連射した。その光弾の嵐に全く怯まず、アグルは空高く飛び上がって強烈なジャンピングキックをお見舞い、シンリョクを押し倒した。
「トォワ!」
ガキン!と金属音を響かせて倒れたシン
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