消失
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『もう直ぐだ…もう直ぐで全てが終わり、全てが始まる』
辺りは血の海と化し、二人は血生臭い世界に立っていた。
青雉「随分派手にやってくれたな。異邦人さん」
『…どう?コレがお前等政府のエゴと無力さの結果だ』
彼女の背後には、鏡の世界から帰還した青雉の姿があった。
『“大人”だったら、これ位の現実受け入れられて当然でしょ?』
青雉「…最初に会った時にも、手厳しい質問されたな」
『そうやって逃げるんだ。だから大人は嫌いなんだよ。
立場を失うと、直ぐに誤魔化して殻に閉じ籠る』
彼の言葉に対して、憎悪が沸々と沸き上がる吹雪。
青雉「…どんなにあっちより汚くても、不安定で争いが無くならない世界でも…この“世界”で生きたいと思う気持ちは変わらねーよ」
『意味解んない!何であの世界を否定するの!?
何で良さを理解しないの!?』
青雉「確かにあの世界は誰もが望む理想の世界だ」
『だったら何で…!?』
声を荒上げて問い詰める彼女に青雉は静かに答えた。
青雉「この世界に生まれ落ちた以上、俺は海兵として“故郷”を守らなきゃならねぇ」
『…ホント馬っ鹿じゃないの?辛い記憶を消して、楽しく暮らしたいとか思わないの!?
“何”がそこまでアンタをこの世界に縛り付けてんの!?』
青雉「…長生きすりゃ分かる。生きてると辛い事も沢山ある。
けど、それと同じ位楽しい事や面白い事も沢山ある」
『そんなの綺麗事でしょ!?そんなの理由に……』
青雉「確かに、お前からしたら綺麗事かも知れねぇ。
けど…いつかその辛い過去や記憶が笑い話になるかも知れねーだろ?」
『!!』
青雉の言葉に、吹雪は何も言えずドキッと驚いた。
『……認めない…そんなの…。絶対認めない!そんなの個人的な理由でしょ!?
誰もそんなの理解する筈無い!!理解してたら、この世界を守る筈でしょ!?
けど見てみなよ!誰もそんな奴居ない…』
青雉「………」
『結局皆、心の何処かでこの世界を恨んでたんだよ。
助けてくれない政府や自分の運命を憎んでたんだよ…』
気持ちを落ち着かせる様に、彼女は呼吸を整える。
青雉「…それでも、この世界の愛して現実を受け止めなきゃいけねぇからな」
彼はそう言い残して…
青雉「アイスタイム」
吹雪を優しく抱き締めて、瞬時に氷漬けにした。
青雉「…ありがとよ。国民や部下共に手ェ出さねーでくれて」
そして、氷漬けになった彼女の体は音を立てて砕けた。
神様「気付いてたのか?全部幻だったって」
青雉「あ?あぁ〜まぁな。アイツ、人殺しに興味無ぇって言ってしな」
そこには、彼女の幻術によって眠らされて
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