第十六話 町田大尉!!路線変更はどうなる!その十七
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二人は府立体育館の中に入った、観客席は相変わらず日帝衆の応援ばかりだった、垂れ幕等も全てそうだ。
二人はその観客席を見回しながら競技場の中央にある卓球台を見てだ、その傍まで来て審判役の里中さん(モブです)に問うた。
「この台向こう側に傾けてくれるか?」
「ちょっと俺達が勝つ様にな」
「そうしてくれたら有り難いんだけれどな」
「駄目か?」
「舌引っこ抜くぞ馬鹿ガキ共」
これが里中さんの返答だった。
「それがスポーツマンの言葉か」
「アジア大会じゃやってたぜ」
「福原愛さんそれで困ってただろ」
「それで俺達には俺達の都合のいいようにな」
「そうしてくれたら有り難いんだけれどな」
こう言ってだ、今度は。
二人は体育館の空調をチェックしてだ、里中さんにこうも言った。
「ああ、空調もな」
「そのアジア大会のバトミントンの時みたいにな」
「俺達に追い風にしてな」
「それで俺達が勝ちやすいようにしてくれるか」
「この試合の後南港行きだ」
それに値する馬鹿げた発言だというのだ。
「本当にいい加減にしろ」
「ちっ、俺達の言うことはいつもこうだよ」
「即座に否定され受け入れてもらえないぜ」
「俺達ってとにかく孤独だな」
「孤独のヒーローだぜ」
こう言うのだった、だが。
世界の誰も二人の言葉に頷かない、それどころかまたしてもブーイングの雨嵐を受けることになってしまった。
「御前等の何処がヒーローだ!」
「本当にいい加減にしろ!」
「しかも話も進めてないだろ!」
「ストーリーを遅らせるな!」
ストーリーの進展の遅さの責任も問われる、とにかくだった。
二人の要求は全て撥ね付けられてだ、そのうえで。
試合開始となった、例によって精悍でストイックな感じの陸軍衆の軍服を着た軍人が着てだった。陸軍衆の敬礼をしてから二人に言った。
「では悔いのない勝負を」
「ああ、勝ってやるからな」
「要は勝てばいいからな」
「だからな」
「やってやるぜ」
いつもの調子で言うのだった。
「今回もな」
「勝ってな」
「それから倉科カナさんだよ」
「倉科カナさんの写真集とDVD買うぜ」
また煩悩の話になる。
「あの人の秘密兵器見させてもらうぜ」
「その胸をな」
演技力だけでないことが素晴らしい。
「最近水着になってくれないのが残念だけれどな」
「全くだな」
「まあそれでもそれもまた女優さんの宿命」
「売れたらあまり水着になってくれなくなることは」
特にグラビアアイドル出身に多い、ただ最近は三十を過ぎても水着や下着になってくれる人もいてくれることが有り難い。
そうした話もしてだ、二人は言った。
「やってやるぜ!」
「勝ってやるからな!」
「じゃあそこの兄さん試合するか」
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