第十六話 町田大尉!!路線変更はどうなる!その十四
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「私もあるべきであるでごわすが」
「私だけの輩はあってはならない」
「その通りですね」
二人は西郷の言葉に頷いた、ここでアングルは二人の見事な胸筋になる。汗を流したそれには漢の趣がある。
「まずは公」
「公を尊び」
「それから私」
「そうであるべきですね」
「おいどんの私はどうでもいいでごわす」
これが西郷の考えである。
「飢えなければ。むしろ」
「今の状態が」
「それが、ですか」
「贅沢に過ぎるでごわす」
今の生活がというのだ。
「むしろ」
「いつもそう仰いますね」
「食べるものがあり服があり家がある」
「そして書がある風呂にも入られる」
「それだけあれば」
「何の不足もないでごわす」
こう言うのだった、尚西郷はいつも質素な食事だ。勿論着ている服も住んでいる家も実に質素なものである。
「この蒸し風呂も」
「贅沢ですね」
「非常に」
「そう思っているでごわす」
ここでその西郷にだ、大山と桂はこう返した。
「お流石です、元老」
「あえてこう言わせて頂きます」
「魔法科高校の劣等生でごわすな」
「はい、あの作品の妹君の言葉を」
「使わせて頂きました」
主人公は美形で頭脳明晰スポーツ万能人望もありしかも美人で尚且つ中の人も非常に魅力的な妹さえいる、そうした劣等生である。
「そう思いましたので」
「あえて」
言ったというのだ。
「あの作品の主人公がやけに強かったので」
「ここまで強くていいのかと思い印象に残ったので使わせて頂きました」
「その言葉感謝するでごわす、それでごわすが」
「はい、次の勝負ですね」
「町田大尉の」
この話になるのだった、ようやく。
「それですが」
「その勝負のことですが」
「路線変更はともかくとしてどうなるでごわすか」
「町田大尉は卓球です」
「日帝衆きっての卓球のスターです」
これもまたいつも通り今しがた出て来た設定だ。
「ですから卓球で」
「それで勝負を挑みます」
「場所は何処でごわすか」
西郷は勝負の場所のことも問うた。
「一体」
「はい、大阪府立体育館」
「あちらで」
大阪の難波にある、尚ホテル街からは歩いて行けるのでちょっと女の子とデートの後そうしたことをして遊びたいと思えばすぐに行ける場所でもある。
「そう考えていますが」
「如何ででしょうか」
「わかったでごわす」
西郷は汗を流し続けつつ答えた。
「ではその様に」
「はい、それでは」
「町田大尉にも伝えます」
「そしてそのうえで」
「今回こそ」
「頼んだでごわす、今度こそは」
まさにだった。
「勝ちそのうえで」
「いよいよ」
「我等の悲願を適えに向かいましょう」
即ち半島再併合をだ。
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