暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 14 「風邪を引いた王さま」
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
う」
「それはそうだな」

 ショウは静かに背中を向けると扉に向かって歩いていく。家の中にいるのは変わらないはずだが、先ほどまで近くに居たせいか寂しいという感情を覚えた。風邪で弱っているからだろうが、彼が言ったようにまだまだ我は子供らしい。

「……ショウ」
「ん?」
「……ありがとう」

 ただ感謝の言葉を述べただけなのに、我は異様に自分の顔が熱くなっていくのを感じた。おそらく彼に対して「ありがとう」という言葉をあまり使ったことがなかったからだろう。いつもはすまないといった言葉を使っていたはずだから。
 赤くなった顔を見られたくなかった我は、ふとんに包まるように寝転がった。微笑ましい顔をされているような気配がするが、気にしてはダメだ。
 ショウは「何かあったら呼べよ」と言い残すと部屋から出て行く。流れ始める沈黙に耐えられなくなった我は、静かにふとんから顔を出した。

「……何をやっておるのだ我は」




[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ