無いもの/有るもの
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の瞳に訴えた。
「シオン、私にあんたの背中を護らせて!」
「ッ!!」
雪羅の心は震えた。その瞳に、その言葉に───
「・・・俺の背中は無防備だぞ?」
「そうね、背中から撃ち抜いても解らないくらいに前だけ見てる」
「おい・・・」
「でも・・・」
詩乃は笑みを浮かべながら言った。
「こんなんで護れなきゃ、スナイパーのプライドが許さない」
「ほう、言うじゃねーか」
そう言って雪羅は拳を突き出す。
「これからよろしく頼むぜ、シノン」
「えぇ、任せなさい!」
彼女の顔を見て雪羅は確信した。彼女は過去と向き合う覚悟を決めたのだと。
彼女が今の状況から脱する方法───
それは彼女のことを許すこと。彼女に必要なのは罪でも、罰する存在でもない。彼女の存在を許し、受け入れてくれる存在が必要なのだ。
そして今日、その存在を得た。祥恵と瑞恵と自分を受け入れてくれる仲間を。
『そうだ、俺には奴らには無いものを持っている・・・』
彼らに無くて、雪羅たちにあるもの、それは───
命を張ってでも、護る価値のあるものだ───
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