SAO─浮遊城と赤衣の聖騎士
01 剣士誕生
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も言わなかったが、近所の剣道少年たちからは変な目で見られた。もっとも、《彼女》はカッコいいと言ってくれたのだが……。
ともかく、剣術の心得があるものに、気安く教えるものではないと、父さんに口止めされていたのである。許可をとったのはそう言うことだった。
──ヤマトさんも、変な目で俺を見るんだろうか。
そんな不安を抱いた。
ある意味では、それは的中していたと言っていいだろう。俺が二刀流使いであることを話した瞬間、彼の眼の色が変わったからだ。
だがしかし、それは忌避や嫌悪の色ではなく――――なんというか、狂喜というか、歓喜と言うか。正直に言えば、ヒーローに憧れる子供のように目を輝かせて、彼は叫んだ。
「なんと! なるほど、某が呼ばれたのはそれ故でござったか! いや、ご安心召されよ。この某も、二刀流使いでござる故!」
「えっ……」
それには素直に驚いた。二刀流を使うライセンス保持者が居るとは思っていなかった。刀を二本差しているのは、昔の武士にあやかったものなのだろうかと思っていたら、実際に二刀流使いだったというのだから。
「ともかく、よろしくでござるよ、和人殿」
「あ、あの、《殿》なんてつけないで下さい。俺はあなたの弟子ですから」
「ふむ、それもそうでござるなぁ……」
そんな風にして、若干天然気味の師匠、ヤマトとの修行の日々が始まった。
順当な剣術としての二刀流の習得だけではない。人の行える範疇を越していると言える様々な技能の習得も、その修行の中に含まれていた。
滞空、と言っても過言ではない時間、空中にとどまっていられるだけのジャンプ力。
何キロメートルも先の音を聞き取る聴力に、物を見る視力。
体に付いてこなくなる脳を、適応させるための、五感と脳の間での反応速度の向上化。
岩をも切り裂く剣術の数々。
なまくらの刀程度では肌を傷つけられないだけの身体強化。
砂漠の真ん中に放り込まれても生還しうるだけのサバイバル技術。
ライセンスを取得してからは、何回か実践にも参加した。年齢制限に引っ掛かる為、ヤマトの傍付きで、という形ではあったが。
最初に戦ったのは、大型の青いイノシシだった。自然界では聞いたこともない色合いのそいつを見た時に、なるほど、確かに異形である、と思ったのは今でも強く覚えている。
ヤマトが育てている他の弟子たちとも何度か剣を合わせた。基本的になんら手こずること無く倒すことができたが、二刀流を使いこなす青色の髪の少年との戦いは今も記憶に残っている。
そうしていつしか、父さんとも方を並べて戦う様になった、ある日。
父さんと母さんが、外国に行くことになった。聞けば、海外にいる昔の仲間と合流し
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