第四十三話 街道での死闘その四
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「よく知ってこそなんだよ」
「バイクのことをか」
「そうだ、こうすればな!」
ここでだ、薊は。
タックルをする為にまた近付いて来た怪人のそのバイクの前輪の中心のその部分をだ、右足で勢いよく。
蹴った、すると。
「!?」
「もう一丁!」
薊は今度はバイクの座席、怪人のその左腿の部分を蹴った。すると。
怪人のバランスが崩れた、今度は怪人が転倒しそうになった。
だが怪人はここで何とかバランスを崩した。しかしここで。
薊はその右手に持っている棒に渾身の炎を宿らせてだ、態勢を立て直したばかりの怪人のその首にだった。
棒を伸ばしてぶつけたうえで思いきり上に放り投げた、怪人はその身体を大きく上に投げられ。
バイクから飛ばされそしてだった、棒の炎で首から全身を焼かれつつ地面に激しく叩きつけられた。符号がその背に浮かんだ。
針鼠の怪人の攻撃は続いていた、激しいカーブの中でも。
桜はまだ防戦一方だ、怪人はその桜に言った。
「粘るな」
「それが信条ですので」
微笑んで返す桜だった。
「幾らでも」
「言うな、けれどな」
「それは貴方もですね」
「そうなんだよ、俺は粘り強いいっていうかしつこいか」
怪人は自分についてはこう言った。
「そっちだな」
「しつこい、ですか」
「何についてもな」
「そうですか」
「だから最後の最後まで諦めないぜ」
この勝負についても、というのだ。
「そしてあんたを倒してやるぜ」
「そうですか、しかしそれは」
「わかるよ、あんたは粘るからな」
「はい」
桜は今も返事を変えない、そしてだった。
レイピアで棒による攻撃を浴びせて来る怪人を迎え撃つ、狼牙棍そのままの棒とレイピアでは大きさも重さも違う、威力も違う。
だがだった、桜は互角に闘っていた。怪人はその桜に言う。
「風の力か」
「それを武器に込めれば」
「そうしてだな」
「そうです、例え武器の大きさも重さも違いますが」
このことは桜も認める、しかしだというのだ。
「闘えます」
「そうなんだな、けれどな」
「それでもですか」
「武器は一つじゃないんだよ」
その手に持っている棒はというのだ、そして。
その手に棒をだ、もう一つ出して両手でそれぞれ持ってだった。桜を激しく攻撃しだした。バイクは下半身だけで操縦している。
そうしながらだ、怪人は桜に言った。
「こうしてな」
「二つにして、ですか」
「攻められるんだよ、残念だったな」
「これは」
「さて、一つが二つになった」
怪人は勝利を感じつつ言った。
「これならどうだよ」
「確かに。このままでは」
これまでは確かに五分と五分だった、だが棒が二つになった分だけ。
桜は確かに劣勢になっていた、完全に防戦になっ
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