第四十三話 街道での死闘その三
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「細くて軽いからな」
「だからだというのですね」
「そうさ、それで勝てるのかよ」
既に勝利を確信している言葉だった。
「どう考えたって無理だな」
「そうですね、普通は」
バイクを走らせつつの攻防の中でだ、桜sも返す。
「勝てません」
「そうだよ、あんたの負けだよ」
やはり勝ち誇った調子の怪人だった。
「俺が勝つんだよ」
「重さ、それは大きいです」
桜はこうも言った。
「非常に」
「あんたはその重さで負けるんだよ」
「どうでしょうか、それは」
「負け惜しみか?」
「そう、重いのです」
ここからまた言う桜だった。
「重いが故に」
「何が言いたいんだよ」
怪人は桜とのやり取りをしつつも攻撃を仕掛けている、その棒で執拗に激しく殴ろうとしている。桜はレイピアで守っているだけだ。
二台、薊達も入れれば四台のバイクは六甲の曲がりくねりしかも上下にアップダウンの激しい道を高速で走り続けている、その中で攻防を繰り広げつつだ、怪人は言うのだった。
「俺の棒の重さがいいんだろ」
「そうですね、しかし」
「しかし?」
「その長所は逆にです」
桜はレイピアに風を含ませてそれを力としつつ怪人の攻撃を防ぎつつ言う。
「短所になります」
「へえ、そう言うんだな」
「そうです、重さが」
まさにというのだ。
「そのことを貴方は理解されることになるでしょう」
「わからねえな、重いのはいいことだよ」
怪人は棒の刺も見つつ言う。
「この刺だけじゃなくてな」
「重い分だけ衝撃があり」
「そしてダメージを与えられるからな」
それ故にというのだ。
「重いことはいいんだよ」
「その言葉、もうすぐ」
「もうすぐ?」
「仰ることが出来なくなります」
桜は微笑んでさえ言った、そして。
四台のバイクは道がとりわけうねっている場所に入った、その左右かつ上下にもカーブが入っている道でも。
怪人達は攻撃を仕掛けて来ていた、犀の怪人の薊へのタックルは続いていた。
その中でだ、怪人は。
そのタックルの勢いをさらに強めてだ、こう言った。
「ここで貴様を吹き飛ばしてだ」
「ガードレールから弾き出してか」
「倒す」
まさにそうしてというのだ。
「そうなれば貴様がどれだけ頑丈であろうともだ」
「まあ確実にな」
若しそうなればだ、薊もわかっていた。
「アウトだな」
「そうだ、その時はな」
「そうなるな、けれどな」
「まだ言うのだな」
「死ぬのはあんただよ」
まだこう言うのだった。
「あんたにとって残念だけれどな」
「相変わらずの強気だな」
「あんたのタックルは確かに強い」
薊もそのころは認めた。
「けれどな」
「けれど。 何だ」
「バイクのことはあまり知らないみた
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