第四十三話 街道での死闘その一
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美しき異形達
第四十三話 街道での死闘
薊と桜はヘルメットを被ったうえでバイクに乗った、そうしてだった。
バイクに乗ったままの怪人達にだ、再び声をかけた。
「じゃあはじめるけれどな」
「そちらの用意はいいですね」
「何時でも出来る」
「早くはじめたくてイライラしてるんだよ」
これが怪人達の返事だった。
「だからだ」
「やろうぜ、今から」
「よし、じゃあな」
「はじめましょう」
二人も怪人達の言葉を受けてよしとした、そしてまた裕香に顔を向けて言うのだった。
「じゃあそういうことでな」
「そこで待っていて下さい」
「それで終わったら牛丼な」
「吉野家に行きましょう」
「うん、けれど本当にここは」
また言う裕香だった。
「凄くね」
「はい、道がですね」
「上下になっていてカーブも多いから」
「難所です」
桜は裕香にはっきりと答えた。
「まさに一歩間違えればです」
「事故になるわよね」
「そして実際に事故が起こりやすい場所です」
そうした場所だからこそ街道レーサー達も集まるのだ。彼等はそうした難所を走ってこそ醍醐味を感じるからである。
「その通りです」
「それでもなのね」
「こうした場所だからこそ」
それ故にというのだ。
「普段は人気もないので」
「戦うにあたってはなのね」
「いい場所ですから」
だからだというのだ。
「戦います」
「そうなのね、じゃあ」
「後で一緒に楽しみましょう」
街での買いものをというのだ。
「そうしましょう」
「待ってるわね」
裕香は桜に微笑んで応えた、そうして二人をその微笑みで見送るのだった。
二人と怪人達はバイクを発進させた、その勝負をはじめる中で。
薊は運転しつつだ、早速だった。
その手に七節棍を出した、桜もレイピアを出す。怪人達は二人のそれぞれの武器を見て少し侮った様な笑顔で言った。
「武器を出すか」
「そして戦うのかよ」
「ああ、そうだよ」
「御覧の通りです」
二人はすぐに応える、もう走りはじめている。
「この武器でな」
「戦わせて頂きますので」
「バイクの操縦に問題はない」
「そうだからこそなんだな」
「そうさ、少なくともな」
「これ位は出来なくては」
バイクを操縦しつつ武器を操る位はというのだ。
「これまで生き残っていないさ」
「到底」
これが二人の返事だった。
そうしてだ、二人は早速だった。
それぞれ左右からバイクを近寄せて来た怪人達にだ、早速その武器で攻撃を仕掛けた。
薊は右から来た犀の怪人に七節棍を前から右に思いきり振った、それで怪人に対して正面から打撃を与えようとした。
だが怪人はその一
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