1部分:第一章
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若者の口調は実にしみじみとしたものだった。
「今日にでもジョン=オーウェンにヘルシンキ勤務を命じるとか」
「ヘルシンキね」
「ロンドンの次はヘルシンキはもう罰ゲームね」
「全くだよ。けれど本当にロンドンは」
「ええ、イギリス自体は」
どうかとだ。エリザはジョンに話していく。
「最悪ね」
「本当にイギリスが嫌いなんだね」
「それは貴方もでしょ」
「イギリスを好きなアイルランド人はいないさ」
ジョンもこのことははっきりと言う。
「何もかもがね」
「そうよ。全くこの国は」
どうかというのである。うんざりとした顔で。
「いいものは一つもないわね」
「何もかもが気取っていて」
「それか妙に下品で」
貴族と下町、その二つを対比させての言葉だった。
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