魔術について学ぼう! 後編
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何が何だか分からない。
治癒魔術には、細胞分裂を促進する効果があるのだろうか……?
いや、そう考えると、多分細胞が取り込むためのエネルギーも作り出しているのか?
うーん、難しいな。
やっぱり魔術というのは科学とは違うのだろうか。
「いや、これはE級魔術なので、アル君も普通に使えるようになれると思いますよ。
アル君の適性が水属性ならばの話ですけどね。
でもまあ、ボール系の魔術ならすぐ使えるようになりますよ。
私を雇ったくらいなんですから魔力量は十分でしょうし」
その声で俺は思考を中断した。
失敬失敬。
つい脱線してしまった。
見ると、彼女の頬が桜色に染まっていた。
なんだかんだで照れているのだろう。
俺は少し笑いを貼り付けながら言った。
「それでも、凄いですよ。
アイリ先生は」
それだけ、最初に魔術を見せてくれた相手というのは大切なのだろうか。
いや、違う。
信頼というか、尊敬。
今日会ったばかりの相手を、俺は尊敬しているのだ。
何故だろうか。
カリスマか?
考えても分からないが、少なくとも、これだけは分かった。
「僕はアイリ先生を、尊敬すべき人物だと感じました。
これからも家庭教師をしていただけると、僕的にはすっごく嬉しいです」
この人に、魔術を教えてもらいたい。
その思いが胸を掠めた。
初対面の人物に何故こんなにも、留まって欲しいと思うのかは分からないが、これだけは真実。
これだけは、俺の、本当の思い。
「……当たり前ですよ。
私は暫くここに厄介になるつもりです。
なんというか、充実した毎日が過ごせそうな予感がします」
予感かよ。
というか、家庭教師をする理由がなんか、不自然な気がする。
「後、アル君が可愛過ぎてもうアル君無しじゃ生きて行けな……ゴホン。
とにかく、私については心配しなくて良いですよ」
……なんか不穏な単語が聞こえた気がした。
これが本命の理由か?
うーん、定期的に抱き締められていれば良い、んだろうな。
微妙だ。
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