第一話
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かな君でも、それを容易く破棄出来ない。」
「メフィスト…フェレス…。」
ラジエルはあからさまに嫌な顔をしたが、メフィストはどうでもいいと言った風に鈴野夜の元へ歩み寄って言った。
「ロレ、お前はどうしたい?返答しだいでは、古の契約を破棄してやろう。」
「私の意思は変わらないよ。」
即答した鈴野夜に、メフィストの表情は歪んだ。そこには喜びと…そして悲しみとが混在していた。
「メフィスト、なぜそんな顔をするんだ?私は何処にも行かない。君と最期の時まで共にある。」
「それで…本当に良いのか?」
「ああ。」
その会話を聞いたラジエルは、仕方無さそうに二人へと言った。
「ならば、そうするが良い。しかし、私は再び来る。世の終焉まで、何度でも…。」
そう言い終えるや、ラジエルはそっとその姿を夜の闇へと消し去ったのだった。
「ロレ…本当に良かったのか…?」
ラジエルの消えた虚空を見、メフィストは囁く様に鈴野夜へと問い掛けた。鈴野夜はそれに答えることなく、ただ、メフィストの体を子供の様に抱いた。
鈴野夜の温もりはメフィストの瞳から涙を溢れさせ、メフィストもまた、鈴野夜を強く抱き返したのだった…。
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