第一話
II
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た屍よろしく、動くのさえ億劫だった筈なのだが。これこそ現金と言うものだ。
最初に大崎と小野田に手渡され、次に鈴野夜とメフィストにも手渡された。
鈴野夜とメフィストは、他二人よりも嬉しそうにしている。その様子を小野田が首を傾げて見ていた。
「小野田、どうしたんだよ。」
「えっと…鈴野夜さん、もしかして貧乏なのかしら?」
「……。」
大崎は答えに窮した。まさか鈴野夜が釘宮のところに間借りしてるほど貧乏…とはさすがに言えない。
「えっと…こういうのが珍しいだけじゃね?」
「そっか!働く必要なんてないのに、こうして社会勉強してるのね!」
何だかどうでもいい大崎だったが、ふと封筒の中を見て驚いた。万札が二枚入っていたからだ。
「オーナー!これ、多くないっすか!?」
慌てて釘宮に言うと、釘宮は苦笑して返した。
「いや、それで良いんだ。明日どうなるかなんて分からないしねぇ。渡せる時に渡しときたいんだよ。」
そのやり取りを見て皆が封筒を開くと、皆一様に二枚入っていた。そのため、皆一斉に釘宮を拝むかの様な目をしたため、彼は「その目、やめれ。」と、やや眉をピクつかせて言ったのだった。
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