第四十七話
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・コノッ・・・!」
その瞬間に飛んできた拳圧を反射的に目の前に結界を張ってギリギリで防ぎ、その結界を維持するのに二枚目の札を使い尽くす。札を切らしたままでいるのは危険。最高スピードを維持できる限界である二枚の札を再び取り出して、一歩進む。その瞬間にさらに威力が増してきたのでもう一枚札を消費して目の前の結界の硬度を上げる。
「この位置で、これ以上進めないのか・・・」
予想以上にもほどがある。前の時に比べるともう無茶苦茶なくらいに威力が増してるじゃねえか、オイ。
「・・・一気にやる、か」
もう一枚の札を目の前の結界に使い、空間に穴をあけて札を合計三十枚ほど取り出し、半分ずつ目の前の結界と部屋の結界に使う。ケチってはだめだ。それでは、途中で倒される。そして、慎重を期していたものなら途中で倒れるのは目に見えている。
「・・・一気にやる、か」
ここは賭けに出よう。慎重に強度を増しながら進んでもいたちごっこになるのは目に見えてる。最悪の場合、向こうが本気を出してしまうということもありうるんだ。だったら、そこまでエンジンが入る前に一気に終わらせる!
「・・・結界、生成」
右手の人差指の先にギリギリまで小さくした強度が異常なほどになっている結界を作りだし、クラウチングスタートの体勢をとる。ここはホテルの一人部屋だ。そこまでの広さはない。一気に踏み込めば、それでいける距離。結界の方も何も囲めないような小ささだけど、今回はこれくらいが一番役に立つ。
「・・・行く、ぞ!」
床の方は、自分で張った結界があるから気にしなくていい。本気で踏み込んで加速し、ほとんど跳ぶ勢いで部屋の奥に迫る。
「チク、ショウ!」
が、ベッドの横辺りに来たところでかなり強度を増した結界を破壊されてしまい、どうにか体をそらして避ける。ただただ結界を張るためだけに調整した札で造ったのに、一瞬だった。そして、その威力の拳圧がもう一発放たれようとしている。でも、今拳をひいたところなら・・・!
「これ、で、どうだ!」
床、壁、天井と跳び移ることで避け、こちらの攻撃範囲内に入った。このタイミングなら、いける!
「結界、射出!」
指先に呪力を凝縮して、一気に開放することでそれをそいつの頭に当てる。溜めに溜めて、硬くできる限界まで硬くした結界。それで放ったにもかかわらず相手は一瞬姿勢が崩れるだけという、ちょっとショックを受けそうになる光景だけど・・・相手が相手だから、体勢を崩せただけよしとしよう。それに、体勢さえ崩せたなら後はどうとでもなる。
体勢を戻される前に肩をつかみ、体重をかけて押し倒す。
そのまま首筋に手を当てて、妖怪を消し飛ばすくらいの呪力を一気に流し込んで・・・
「ふみゅ・・・お
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