第百九話
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ジも食らうんだな。
「・・・ヒュウ。驚いた、まさか自分で自分の権能を破壊するとは」
「そうでもしないとこのままくらい続けてたんだ。だったら、こうするしかねえだろ」
沈まぬ太陽を発動して死なないようにしながら、考える。あいつは、一体何から権能を簒奪した?
あいつの持っている魔剣は、持ち主の持つ逸話から鍛冶の権能のコントロールを乗っ取った。そして『願い』というキーワードに、すべてを狂わせ、壊してしまおうという破壊の意思。別の権能かもしれないが、水を操るとかそんな感じの権能も持っている。つまり・・・
「・・・また、物凄いもんを簒奪したな、後輩よ。持ち主についてはあんまり知らねえけど、その剣については知ってるくらいだ」
「やっぱりばれたか。できるなら、本領を発揮するまでは隠しときたかったんだけどなぁ・・・ま、しゃあねえか」
そう言いながら再び魔剣を構える後輩。あれが何をできる権能なのかはもう分かったから、それだけ警戒すればいい。最悪、使わせまくればどうにかなる可能性も高いし。
「じゃあな、神代武双。次は決着をつける」
「は?」
思いっきり戦うつもりで構えてたのに、向こうは何のためらいもなく終わりだと言ってくる。なんだこいつ。
「・・・逃がすと思ってるのか?」
「逃げるんだよ、無理矢理にでも」
そう返ってきたところで俺は植物の種を手の中に召喚するが、その時にはもういなくなっていた。忘れてたけど、神速の権能持ってたよな、こいつ。
「・・・えっと、お疲れ様です、でいいでしょうか?」
「いえ、かなり欲求不満な感じなので」
「まあ、でしょうね。かなり中途半端な状態で逃げられてしまいましたし」
一瞬でも気を抜くと当たり散らしてしまいそうなので、自分に言い聞かせながらブリューとボルグを腕にしまい、濡れ皿の怪力も解除する。とりあえずこれで権能は全部解除できたけど・・・
「・・・まあ、収穫一つ、ということでよしとします。あいつの権能、一個だけですけど誰から簒奪したのかも何を簒奪したのかもわかりましたし」
「確かに、それは大きな収穫ですね。その神の名前を教えてください、調べられることを調べますので」
そう言ってくれた梅先輩に甘えることにして、その神の名前を教える。
「なるほど・・・では、あの権能は“ ”ですね?」
「おそらく。鍛冶の神格に対して影響を及ぼせるとなると、あれで間違いないと思います」
「逸話を全て考えるのなら、後でしっぺ返しがありそうですけど」
「それについては分かりません。神そのものが相手なら出来るかもですけど、神から簒奪した権能となると逸話の一部分だけを、というのも可能ですから」
そこからは、その権能についての考察
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