第百九話
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をとる避け方をしない限りは、俺でも攻撃を当てられる」
横に避けようとしただけなら、心眼で追いながら当てていける。高速で動いて当ててくるなら、心眼で頑張ればよけられる。だがしかし、後ろに向けて避けられたらそれを追うだけの速度がない。個人的に神速の嫌なところはそこだ。俺が使えないからなおさら。
「はぁ・・・ったく、面倒な権能だな。・・・我は造る」
今まで持っていた槍をその辺りに捨て、別のものを造り出す。槍の刃の部分は少し長く、逆側には鎖と分銅をつるす。俺の技量で扱えるレベルの中で槍から離れた、あいつに当てることのできそうな武器。
さて、そろそろ他の権能も使うべきか・・・
「それにしても、大した技量だなぁ、オマエ。たった一つの権能で・・・それも、ただ武器を造るだけで他のところは技量と来た。どんだけだよ」
「何言ってんだ?最初の神殺しは、それこそ基本権能なしだ。神具なりなんなりがあったにせよ、技量の一つなくて神が殺せるかよ」
「そりゃ、普通はそうだ。俺とは違って、な」
「・・・何?」
こいつの言ったことは理解できなかったが、それを考えることは一瞬でやめた。考えるのは、後でいい。何より、相手の多彩な権能に対応しなきゃならないんだ。
「・・・今ここに我は力を現す。人ならざる力を持ちて相撲を取り」
「まあ、そう来るだろうなぁ。・・・剣よ、汝の持ちし逸話よ。我が汝を奪いし主の持つ逸話よ」
俺が言霊を唱えながら構えていると、向こうも魔剣を両手で構えながら言霊を唱える。言霊の中に『逸話』という言葉が入っていたからには、この権能の正体を知ることができるかもしれない。
だが、俺の方も何もしないでやられるがままになるつもりはないので、このまま続ける。
「未来あるものを守り抜こう!」
無三殿大神から簒奪した権能、濡れ皿の怪力。名前の通り怪力を得るこの権能なら、割と多くの状況に対応できる。
そんな考えからこの権能を発動し、槍を構え、そのまま突撃するために足に力を入れるが、
「さあ、鍛冶の神格よ。鍛冶の権能よ!汝、話が勅命を聞け!」
「は?何を・・・ッ!」
俺はそれを中断せざるをえなくなった。すぐそばに何かが現れ、それが自分に向かってくる。これをそのまま受けようものなら、どれだけのダメージを食らうか分かったもんじゃない。
まず右側から飛んできたものを槍ではじき、左側から来るものを分銅でたたき落とす。そのまま回転して周囲から来るものを分銅で防いでから、残りを即席工場で盾を造り出して防ごうとする。が、
「盾が、出来ない・・・!?」
権能が壊された、無効化されたという感じはしないのに、使えなくなっている。というより、|俺の言うことを聞かなくなってい
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