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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第13話:新体制の幕開け−1
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なんでもう階級章が
 変わってるんですか? 昇進の伝達って午後の集会でやるんですよね?」

「なんかね、帰りの車の中で部隊長に渡されたんだよ」

苦笑したフォッケがそう言うと、オペレータの女性は少し考えるそぶりを見せてから
フォッケ同じように苦笑する。

「ああ、部隊長ならやりそうですね。 めんどくさいとか言って」

「だよね」

2人はしばし声をあげて笑い合う。
そして笑い声が収まるとフォッケはパンと手を鳴らして5人を順繰りに見まわした。

「さあ、さっさと準備をしてしまおう! 手分けしてお立ち台と演台を倉庫から
 出してこのへんにセットしてね」

フォッケのあげた掛け声に応じて5人は倉庫へと歩いていった。





そして、昼食時を過ぎた午後。
特殊陸戦部隊の隊舎玄関ホールには緊急対応に必要な最低限の人員を除く
ほぼ全部隊員が集合していた。

午前中にフォッケたちが準備したお立ち台とその上には演台があり、
お立ち台の両脇には部隊長のゲオルグ以下の士官全員が並んで立っていた。

そして彼らと向かい合うようにして下士官以下の部隊員たちが
セクションごとに列を作ってずらりと並んでいた。

「全員集合したぞ」

全セクションの点呼結果を確認していたチンクが必要最小限の言葉で
ゲオルグにその結果を報告すると、ゲオルグは黙ったまま小さく頷き
お立ち台を挟んで反対側に立っているフォッケに目を向けた。

今度はその視線に気がついたフォッケがゲオルグに向かって頷き、
次いで手に持っていたマイクに向かってしゃべり始めた。

「それでは年度初頭にあたっての集会を行います。
 はじめに部隊長からの訓示と辞令の伝達をお願いします」

フォッケのアナウンスに続いて、ゲオルグはお立ち台に上り演台の前に立った。
彼がスッと背筋を伸ばすと、彼の眼下で行列をなす部隊員たちが一斉に腕を上げて
彼に向かって敬礼をしてくる。
ゲオルグは固い表情を崩さずに右手を額にあてて、自らに目を向けてくる
部隊員たちに答礼した。
たっぷり3秒の時間が経過したあと、ゲオルグは額にあてていた
右手を下ろした。
次いで部隊員たちが一斉に右手を下ろしたのを確認し、ゲオルグは半歩前に出て
演台の上のマイクに向かって話し始めた。

「特殊陸戦部隊の諸君、参集感謝する。
 年度の初頭にあたって一言申し述べておきたい。
 まずは、昨年一年間の君たちの働きに感謝を伝えたい。
 君たちの努力のおかげで様々な困難な状況を排しつつ、
 着実に成果をあげることができた。改めて感謝する。
 皆も知っての通り、今日から我々特殊陸戦部隊の体制が変更となる。
 今回の戦力増強によって我々に求められる役割はさらに大きくなる
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