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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第13話:新体制の幕開け−1
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から仕方ないだろうが」

「あっ・・・確かに・・・」

ゲオルグの言葉に頷いて少し考え込んだフォッケは、1分ほどの時間をおいて
再び顔をあげた。

「あの・・・定期昇進のときって、通常は異動になるんじゃなかったですっけ?」

些か控え目な口調でフォッケが尋ねると、ゲオルグの表情がバツの悪そうなものに
変わった。

「そうなんだけどな、今フォッケに抜けられるとウチの部隊の運営が
 ままならなくなるからって頼みこんで、特例を認めてもらったんだよ」

「はぁ・・・そうなんですか」

「そうなんだよ! だから頼りにしてるぞ、副官!!」

ゲオルグはそう言ってフォッケの肩を勢いよく叩いて、
窓の外を流れる景色に目を向けた。
ちょうど車は港湾地区に差しかかっていた。

(まあ、代償の支払いはきっちり約束させられたけど・・・な)

そしてゲオルグは心の中だけでため息をつくと、そっと目を閉じた。





隊舎に戻ったフォッケは自室へと戻るゲオルグを見送り、自分は玄関を入って
すぐのところにあるホールに残った。

「さて、と・・・」

がらんとしたホールを見まわしてふぅと息を吐いたフォッケは、
制服のポケットから携帯端末を取り出して通信画面を開いた。

「はい。あ、フォッケ3尉。戻られたんですか?」

「うん、たった今ね」

フォッケは通信画面に現れた通信オペレータの女性隊員に向かって頷き、
一度咳払いをしてから本題を切り出した。

「で、午後から集会の予定になってるのは判ってるよね?
 その準備をしたいから、手すきの指揮所要員はホールに集合」

「了解しました。 手すきの指揮所要員だけでいいんですか?」

「別にそんなに大がかりな準備はいらないから、最低限でいいよ」

「はい、わかりました」

通信が切れると、フォッケはホールをぐるっと見まわしてからホールの隅にある
倉庫に入って行った。
数分後、倉庫から両手にマイクとマイクスタンドを握ったフォッケが出てくる。
ちょうどそこに、指揮所から到着した5人ほどの隊員が到着し、フォッケの方に
近づいてきた。

「すいません、お待たせしちゃいましたか? フォッケ3尉・・・って、あれ?」

やってきた5人の中で一番上位にあたる女性オペレータはフォッケに話しかけると
彼の制服につけられている階級章を食い入るように見つめてから
再びフォッケの顔に目線を戻した。

「昇進されたんですか?」

「あ、うん。一応ね」

「そうなんですか。おめでとうございます、フォッケ2尉!」

「ありがとう。 まあ、士官学校出なら誰でもこの時期に昇進できるんだけどね」

「それでもおめでとうですよ。 あれ? でも
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