第13話:新体制の幕開け−1
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を見ていたが、やがて2人とも
肩を小刻みに震わせて笑いだした。
「ふふっ・・・、とりあえず座ったらどう、フォッケ3尉?」
「は、はい。 失礼します!」
ずっと直立不動の姿勢で立っていたフォッケに座るように促したミゼットであるが
その対面ではゲオルグが口を押さえて未だに肩を震わせていた。
その様子を見たフォッケは、自分が挨拶の言葉を噛んだことを笑われているのかと
思って赤面する。
「いいかげん笑うのをやめなさいな、シュミット2佐。
さすがにフォッケ3尉がかわいそうよ」
「そうですね。 悪かったな、フォッケ」
「いえ、そんな・・・」
ミゼットの言葉でようやく笑うのをやめたゲオルグが、フォッケの肩を叩きながら
声をかけるものの、相変わらずフォッケは落ち込んだ様子であった。
「ところで・・・」
そんなゲオルグとフォッケの様子を見て微笑んでいたミゼットだが、
ふいに笑顔を消して真剣な表情を浮かべる。
彼女の口調が変わったことに気がついたゲオルグとフォッケも、それまでの
冗談めかした雰囲気を脱ぎすてて、部屋の中の空気がピリッとしたものに変わる。
「テロ対策の体制を今の形まで整えてずいぶん経つけれど、
運用上の不都合なんかはないかしら?」
「そうですね・・・」
ミゼットの問いかけに対して、ゲオルグは腕組みしながらしばし考え込む。
俯き加減になっていた顔をあげてミゼットの方に目を向けると
ゲオルグはおもむろに口を開いた。
「何一つ問題がない、なんてことは当然ですけどありませんよ。
対策室からの指示はしばしば我々の能力を超えた要求をしてきますし、
情報部から上がってくる情報は作戦遂行に肝心なものがかけてることもあります。
捜査部は捜査部で度々現場に介入して混乱を招くこともありますしね」
ゲオルグがつらつらと普段不満に思っていることを言葉にしていくと、
いつもそのあたりの愚痴を聞かされているフォッケは、ミゼットが気分を
害しはしないかと不安げな表情でゲオルグの方をちらちらと横目で見る。
「ですが彼らとの協力があったからこそ、これまで成果を上げ続けてこられたのは
間違いのない事実ですし、シンクレアやはやても1つずつ課題を解決しようと
努力してくれてますからね。
それに今回の人員増強で戦力不足という従来からの懸念はひとつ
解決したわけですから、いますぐに抜本的な改革が必要な不都合は
ないと考えています」
「そう。 それはよかったわ」
だが、そんなフォッケの心配をよそにゲオルグは平然と話を続け、
ミゼットに向けた微笑とともに話を締めくくる。
対するミゼットもにっこり笑ってそれに応え、ゲオルグの愚痴でミゼットが
気分
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