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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第13話:新体制の幕開け−1
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に向けて加速し始める。
すぐに階数表示が飛びはじめてエレベータは最高速に達し、3人は下に向かって
僅かに抑えつけられるような感覚から解放される。

「速いですね、さすがに・・・」

「まあ、そのための上層階専用だしな・・・」

ゲオルグとフォッケが階数表示を見つめながら小声でそんな会話を交わす間にも
ぐんぐん階数表示は変わっていき、やがて3人は体重が軽くなったような浮揚感を
感じ始める。
そして階数表示が変わるスピードがみるみる落ちていき、目的とするフロアで
ピタリと止まるとドアが開き、これまた下の一般フロアとは違って
淡いブラウンの絨毯が敷かれた通路に出る。

案内役の後に続いて歩いていくと、重厚な木製の扉の前で彼は足を止めて
扉をノックする。
それに続いて中から"どうぞ"と女性の声で返答があってから、彼は扉を開けた。

「お久しぶりね、シュミット2佐。 特殊陸戦部隊の立ち上げのとき以来かしら?」

「はい。 ご無沙汰しております、クローベル議長」

彼らを出迎えたのは時空管理局の最高幹部の一人である
ミゼット・クローベル統幕議長その人であった。
案内役の局員が丁寧にお辞儀をして部屋から下がると、ゲオルグとフォッケは
ミゼットに勧められるままにソファに腰を下ろした。

「今日は悪かったわね、私のわがままでわざわざここまで上がってきてもらって。
 今や私よりもあなたの方がはるかに忙しいでしょうに」

「いえ。議長にお会いできるのならばいつでも喜んで参上しますよ」

「あら、嬉しいことを言ってくれるじゃない。でもあなた、可愛い奥さんが
 いたんじゃないかしら? こんなおばさんに浮気してちゃだめよ」

ニコッと歯を見せて笑ったゲオルグの言葉に対して、ミゼットが人差し指を立てた
右手を振りながら茶目っ気たっぷりに応じると、ゲオルグは苦笑を浮かべた。

「ところで、こちらの青年は? 紹介してくれないのかしら?」

続いてミゼットはゲオルグの隣で居心地悪そうに座るフォッケの方に顔を向ける。

「ああ、議長はお会いになったことがなかったですっけ?
 彼はフォッケ3尉です。私の副官なんですが、主に部隊の事務関係を
 取り仕切ってもらってるんです」

ミゼットの言葉にゲオルグが頭をかきながら応じ、続いてフォッケに
挨拶をするよう促すと、フォッケは緊張した面持ちで勢いよく立ち上がった。

「じ、自分はフォッケ3尉であります。 こ、高名な議長閣下にお会いでき
 光栄でありみゃひゅ!」

緊張でガチガチになったフォッケが挙手の礼をとりながらミゼットに向かって
挨拶の言葉を述べ、その最後で噛んだのを余すところなく見ていたミゼットと
ゲオルグは、最初揃って目を丸くしてフォッケ
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