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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第13話:新体制の幕開け−1
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て滑るように走っていく。

ゲオルグの目は窓の向こうを流れていく景色に向けられていた。
ちょうど車は普段ゲオルグが隊舎への通勤に使っているクラナガン外周を走る
環状道路との交差点を通過していくところだった。
それを境に建物の密集度と高さが徐々に上昇し、流れる景色が郊外のものから
都会的なものへと変わっていく。

やがてビルの頂上が窓の上端よりも上に隠れるようになったころ、
車は高速を降りて一般道に出た。
いくつかの交差点で右左折を何度か繰り返したのち、敷地を高い壁に囲まれた
どこか威圧感を感じさせる白いビルが車の横に現れる。

ゲオルグたちを乗せた車は壁に沿うように走り、脇に詰所のある頑丈そうな
ゲートの前で止まった。
運転手を務める若い局員が窓を開けて詰所に居た女性局員と二言三言言葉を交わすと
ややあってゲートは重々しい音を立てながらゆっくりと開いていった。

ゲートを抜けると車はビルと壁の間にある道を通って、
数人の局員が直立不動の姿勢で立っている裏側の車寄せに止まった。

「シュミット2佐、お待ちしておりました。 ご案内いたします」

車寄せのそばに立っていた局員のうちひとりが車の後部座席のドアを開け
ゲオルグに向かって声をかける。
ゲオルグは黙って頷くと、車を降り案内役の若い局員の後に続いて
ビルの中に入っていった。
当然ながら、ゲオルグの副官たるフォッケもそれに続く。

3人は正面にあるものよりもこぢんまりとした受付を通ると、
エレベータホールに向けて通路を歩いていく。

やがて、通路が突き当たったところにあるエレベータホールに入ったところで
一行の足は止まった。

そのエレベータホールは広さこそゲオルグたちが普段使っているところの
半分程度でエレベータの数も2基と半分にも満たないが、内装は比べ物に
ならないほど豪華なものだった。

床には白い大理石が敷き詰められ、エレベータの扉には豪奢な装飾が施されており、
2つの扉の間には凝った彫刻の施された木製の台の上に花が飾られている。
また、目線を上に向ければこれまた豪華なシャンデリアが3人に向かって
やわらかな光を落としていた。

実はこのホール、管理局の最高幹部たちの部屋が並ぶ上層階に行くための
専用エレベータが発着する場所なのである。
装飾が豪華なのも当然である。

そんなハイソな空間の中で、まだまだ管理局全体からすれば決して上層部とは
言えない立場の3人がやや居心地悪そうに待っていた。

しばらくしてエレベータが到着すると、エレベータから降りてくる5人ほどの幹部と
入れ換わりに3人はエレベータに乗り込んだ。

ドアが閉まるとほんのわずかな衝撃とともに、一行を乗せたエレベータは
ビルの上層階
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