欲しい者
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
食パンを片付け(食べ)、ソファに座りながら一息吐く。天井を見上げてさっきの出来事を思う
なんでこんな世界になってしまったのだろうか、何を手にするのにも、殺る殺る殺る
確かにこの世には仕事と言う物があり、それで金を稼ぎ、生活している人間が居る。それが『I』だ。だが、その『I』の仕事は、僕達『D』が使うこの腕輪やら何やらを造る人間だ... 結局はこの殺伐とした世界に変わりはない。むしろ、『I』がそんな物を造るからダメなんだ
じゃあなんで『I』は造ったんだろう
『国家』の仕業だよ、国家の命令なんだよ
そう、この殺伐とした世界は、国家が作った、国家が決めたことなんだ
もう一度言う、殺って手に入れた物で生活するのがDだ
僕はこんな世界が気に入らない
だからこそ、今のこの世界のルールを使ってやる、良いように使ってやる、楽しんでやる
この世界を変える
■■■
「そろそろ僕も活動を始めないといけない」
世界を変える
つまり世界を変えた国家を殺れば世界を変えた力を手に入れられる
それを昔から考えて今でも叶えようとしている
でも、それを実行するにはそれ相応の力が必要だ。だからと言って自分が弱いと思ったことはない、強いと思ったこともない
「どうせ自分より強いやつを相手にするんだ」
ソファーから立ち上がり、近くに投げ捨てられていたコートを手に取り、着る
玄関までゆっくり歩き、靴を履き...
「行って来ます」
誰も居なくなった部屋は静まる、自分が居たとしても静まっていることには変わりなかった
まぁ、そんなことどうだって良いのだけれど
外に出て、鍵も閉めずに階段を降りる
先ほど無惨に殺された奴らはもう消えていた
誰も消えた所は見たことがない
死んだやつらはいつの間にか何処かへ消え、居なくなる。墓を作らなくて済むな
コートのポケットに手を突っ込み、アクビをしながら道を歩く
特に行く当てもない
ただ適当に歩いていれば目的が出来るだろう。ただでさえ家の中に居てもあの様だ
退屈しないぜ全く
出来れば自分より強いやつ、コレクターでも良い、かかって来い
自分から挑むことはしたくない。ルールを楽しみたいだけだから、ルールを楽しんで尚且つ強くなりたいだけだから
国家がどれだけの力を持っているかわからない、こんな世界を考えた奴らだ、包丁一本で殺れるようなグルではないだろう...
「こんに〜ちはっ♪」
考えをまとめていると、声が聞こえてきた
自分に向けて声をかけてきたのだろうか、そんな感じがしたのでちらりと見てみる
にっこり笑顔を見せて声をかける男だ... 腕輪の色は、黄色。殺し屋ではない
ただ... なんとなくチャラい感じがする、苦手なタイプの奴だ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ