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【D×D】掃除男、君はとてもいい匂いだ…
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「どうした?さっきから随分力んでるみたいだが、お前の仕事は嘘と悪口で場を乱す事だろう?――さあ、口で勝負しようぜ」

ロキは、その挑発に返事を出すことが出来なかった。
そう、ロキは箒に接近されて初めて、フェンリル達が何故戦闘不能になってしまったのかを理解したのだ。そして、理解したからこそ受け入れがたかった。まさか――そんな原始的な方法で?そう気づいた時には、遅かった。

「あ……ぐぇぇっ!?お、おごっ……うげぇぇぇえぇええッ!!」

く……く……――

「く、臭いぃぃぃぃ!?な、なんだこの生ゴミをバケツ一杯に詰めて炎天下に三日間晒したような、お、うげぇっ……!!おぅえええええええええ!!え゛ほっ……な、何だそれは!?臭いの元凶はその箱の中身か!?」
「そうだ、こいつだ……フフ、臭いだろ?臭すぎて臭いをレジストすることさえ叶うまい。だがこれは単なる悪臭であって毒ガスの類ではないからお前達人外にも効くわけだ」
「な……ならば貴様とアザゼルは何故平気な……ま、まさかさっきの魔法は!?」
「おう、俺と箒だけ臭いをレジストさせてもらったぜ。流石にそれを嗅がされるのは御免だからな」

乗り気ではなかったくせにロキが苦しむ姿を見るのは楽しそうなアザゼルとは対照的に、風下にいたグレモリーズにロキを悶絶させた悪臭が漂ってきた。唯でさえ人より感覚が鋭い悪魔。その臭いはダイレクトに鼻腔を蹂躙した。

「うわ臭ぁッ!?」
「あ……あ、ぐ……!」
「こ、小猫ちゃん!しっかりするんだ小猫ちゃん!……ああ!白目を剥いてる!?」
「いけない、小猫は元々はネコの妖怪!嗅覚は私達以上……くっさ!?」
「と、取り敢えず私達も魔法で空気の供給を……けほ、けほっ!」

その様相、阿鼻叫喚である。被害はどんどん戦線を拡大させ、向こうで関係ない戦いしてた連中まで悪臭に悶えはじめた。

「ば、バイオケミカルウェポン……?」
「失礼な事言うな。これは唯のスウェーデン土産だ。――その名を、『シュールストレミング』という」

シュールストレミング。
それは、スウェーデンに伝わるニシンを発酵させた食品である。

この食品の特筆すべき部分は、なんといってもその発酵による強烈なまでの激臭である。日本で代表される発酵食品の納豆や鮒寿司(ふなずし)、くさやの臭気をこの食品は完全に凌駕しており、ギネスブックに世界で最も臭い食品として堂々と掲載される、名実ともに「世界一臭い食べ物」。
2014年には25年前のシュールストレミングが発見されたとの知らせを受けて爆発物処理班が缶詰専門家と共同で処理を行ったほどの危険性を孕んだ、恐るべき食品なのだ。

「くくく……一般的に犬の嗅覚は人間の100万倍以上あると言われているが、それはあくまで臭いの
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