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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十二幕 「当方に迎撃の用意あり」
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式ッ!!」
「へぇ……?」
打鉄弐式を素早く展開し、強く睨み返す。
迫力なんて無いかもしれないが、それでも戦意は揺るがさない。
未知の敵に立ち向かうには大きな勇気がいる。それは、かつてのゴーレム襲撃事件で彼女の身に染みた大きな教訓だった。あの時、佐藤さんの言葉がなければ今の簪は腰を抜かして逃げていたかもしれない。それほどに本来の簪は脆く、臆病で自信のない人間だった。
怖いことから逃げて、越えられない物に嫉妬して、その癖して詰らない意地を張って。
だが、佐藤さんはそんな私に進むべき道をくれた。
『私に自分らしさや人としての在り方を教えてくれたモノ達に恥じないようにありたい。だから、私は怖くても強がりを続けたいんだ』
その道と交わったのがユウ。そして鈴。
『『簪は返してもらう。そしてシャルはぶっ飛ばす!!』』
気が付いたら対抗心を燃やす相手がいて、心を許す友達がいる。
そしてなにより――憧れの存在であるヒーロー達に縋らずとも敵に立ち向かえる自分が心の中にいる。
頑張れ、簪。負けるな、簪。ユウの手伝いも満足に出来ないんじゃ最高に格好悪いぞ。そんな風に自分を叱咤激励してる。とてもぶきっちょで下手くそな応援だけど――私はそれでいいと思う。
「私は、ユウの友達だから。中途半端でここにいる訳じゃ……ないもん。そんなに凄んだって、怖くないもん……!」
「よく言った簪!さあ、この変人くノ一に一泡吹かせてやろう!!」
風花の左拳と打鉄弐式の薙刀、夢現が同時にくノ一に突き付けられた。
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