第二百十六話
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第二百十六話 家に帰って
七人は今田先生のお屋敷で解散してそれからそれぞれの家に帰った、その家に帰ってからであった。華奈子と美奈子はお互いでも話をした。
それぞれの楽器は持って帰っている、そうしてだ。
その楽器をなおしてからだ、まずは華奈子が言った。
「今日はね」
「いいこと教えてもらったわね」
「そうよね、ライブはね」
「楽器をちゃんとなおすまでがね」
「ライブなのね」
「しかもライブをした場所はね」
そこもだった。
「ちゃんとお掃除もして」
「奇麗にしないと駄目ね」
「このことも教えてもらって」
「本当にいいこと教えてもらったわ」
「これ本気で言うけれど」
華奈子も何時になく真面目な顔だ。
「これからもこのことはね」
「ええ、忘れたら駄目ね」
美奈子も真面目な顔で頷く。
「絶対にね」
「そうよね」
「若し忘れたら」
「ライブをしてもね」
「完全にライブをしたことにはならないわ」
「中途半端よね」
「全部やってね」
「それも自分達でね」
華奈子はこのことも言った。
「しないと駄目よね」
「最初から最後までね」
「お父さんとお母さんも言ってるけれどね、いつも」
もっと言えば二人が慕っている大叔母達もだ。
「おばちゃんとポポちゃんも」
「そうよね、お父さん達もおばちゃん達もね」
「本当に正しいことをあたし達に教えてくれてたのね」
「その通りね」
美奈子はまた華奈子の言葉に頷いた。
「私もそう思うわ」
「じゃあこれからも」
「後片付けもお掃除も」
「全部自分でやって」
「それでこそよね」
「何でもね」
ただライブのことだけではないこともだ、二人は学んでいた。
それでだ、華奈子は美奈子に再び確かな声で言った。
「あたし今日のライブのこと絶対に忘れないわ」
「私もよ」
「他人任せじゃなくて」
「ちゃんとしていきましょう」
自分自身でとだ、こう言い合うのだった。
そして二人はこの日から他のメンバーと一緒に何でも自分達でやるように心掛けるようになった、七人にとっては大きなライブとなった。
第二百十六話 完
2015・2・28
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