第四十二話 近付く真実その十二
[8]前話 [2]次話
「これから一人で道を走ろうと思っていたのですが」
「こっちは街までな」
「左様ですか」
桜は薊の真横に来て応えた。
「それでこれからお二人で」
「行くところだったんだけれどな」
「では途中までは、いえ」
「いえ?」
「そういえば私も買いたいものがありました」
ここでこう言うのだった。
「お洋服を」
「それを買いにか」
「はい、ワンピースが欲しくて」
それでというのだ。
「これから洋服屋さんに行きます」
「じゃあ街に行くんだな」
「そうすることにします」
「わかった、じゃあ一緒だな」
「そうですね、行き先は」
「三人で行くか」
裕香も見ての言葉だ。
「これから」
「そうしましょう」
「さて、それじゃあな」
ここまでまた言う薊だった。
「全速でいくか」
「ちょっと薊ちゃん」
薊が全速でと言ったところでだ、裕香が後ろから言って来た。その両手で薊の輿にしっかりとしがみ付いている。
「スピード違反はよくないわ」
「いやいや、冗談だよ」
「本当に?」
「そうだよ、それこそ全速なんて出したらな」
それこそというのだ。
「すぐにスピード違反で捕まるぜ」
「そうでしょ」
「そんな暴走族みたいな真似はしないさ」
自分の故郷である横須賀の名物の様には、というのだ。
「あたしだって」
「そうよね、薊ちゃん無茶するけれど」
それでもというのだ。
「そうした無茶はしないから」
「交通ルールは守らないとな」
「そうそう、周りの迷惑だからね」
「他の人に迷惑はかけるな」
薊は運転しつつこうも言った。
「そうしたことはな」
「そう、ちゃんとしておかないとね」
「本当に他の人が困るからな」
「それに自分だって」
スピード違反等の交通ルールを違反すればというのだ。
「危ないわよ」
「交通事故な」
「そう、交通事故は相手に問題がある場合もあれば」
「自分に問題がある場合もあるな」
「乱暴な運転をすればそれこそよ」
「自分がやばくなるな」
「だからね」
それ故にというのだ。
「気を付けてね」
「わかってるよ、普通のスピードでいくよ」
「それが一番ですね」
桜も言って来た。
「自分は自分で守る」
「戦いの場合だけじゃないな」
「こうした交通についても」
「そうだよな、じゃあ街までな」
「普通のスピードでね」
裕香はまた薊に言った。
「行こうね」
「そうしような」
「どうせすぐよ」
焦らずとも、というのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ