第四十二話 近付く真実その十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そして逃げてばかりだった」
「けれど、だよな」
「劉邦は最後には勝ったよ」
「それで天下を取ったんだな」
「そう、だからね」
「逃げることも大事か」
「そうした状況ならね」
こう少女達に話すのだった。
「そして君達だけじゃないから」
「先輩もいるしか」
「そう、他にも誰かいるかも知れないから」
「まずは身体の検査を受けてその博士と会って」
「君達自身のことを知ろう」
「それと怪人のこともか」
「彼等のこともね。もうすぐ怪人の灰の検証が全て終わるから」
それが、というのだ。
「それの結果もね」
「聞けばいいんだよな」
「うん、そちらはもう少しだから」
「ずっと気になってたことがか」
「わかるよ」
ここで遂にというのだ。
「だから待っていてね」
「わかったよ、じゃあ今日はな」
「うん、これでね」
こう話してだ、そしてだった。
少女達は智和の家を後にした、そのうえで今はそれぞれの家に帰るのだった。薊と裕香は学園の寮である。
その帰宅中にだ、裕香は薊に言った。
「夏休みの寮って静かね」
「人が凄く減ってな」
「うん、皆里帰りするから」
「無茶苦茶静かだよな」
「私今お部屋に一人よ」
「あたしもだよ」
それで二人共それぞれの部屋で比較的のびのびとしているのだ、だがそうした気楽な一人暮らしと共になのだ。
「寂しいな」
「かなりね」
「それがな」
「どうもね」
「何かあれだよ」
また言う薊だった。
「いつも賑やかなのがいいんだよ」
「寮はね」
「あたしずっと孤児院にいて寮だろ」
その中で生きてきたからというのだ。
「だから余計にさ」
「寂しく感じるのね」
「そうなんだよ、寮に帰っても時間があるし」
部活の時間も終わっている、それでなのだ。
「ちょっとバイクで走るか」
「あっ、薊ちゃんも」
「裕香ちゃんも一緒にどうだい?」
「乗せてくれるの?」
「ああ、後ろにな」
バイクのそこにというのだ。
「ヘルメット貸すからさ」
「いいの?」
「いいよ、どうせ暇だしさ」
薊は笑って裕香に答えた。
「だからな」
「二人でなのね」
「ツーリングしようぜ」
「夏のツーリングね」
「軽くな、旅行は終わったけれどさ」
それでもというのだ。
「一緒にどうだい?」
「それじゃあね」
「ああ、サイドカーじゃないけれどさ」
このことは違っていた、薊はサイドカーには乗らないしそもそも持ってもいない、それは菖蒲が好きなものだ。
「一緒にな」
「それじゃあね」
こう二人で話してだ、薊と裕香は寮に帰ると二人でバイクに乗り街まで出ることにした、そうして走っているとその横にだ。
一台のワルキューレが来た、薊はバイクに乗るピンクの高級そう
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ