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美しき異形達
第四十二話 近付く真実その十
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「今更妖怪が出て来てもな」
「怖くないんだね」
「そうさ、もう平気だよ」
「そういうことだね」
「ああ、行くさ」
 それこそというのだ。
「博士のところにな」
「それじゃあね」
「ああ、まずはか」
「身体検査を受けるといいよ」
 最初はそれだrというのだ。
「そうしてね」
「あたし達のことをか」
「色々と知るといいよ」
 そうした検査からだというのだ。
「DNAも含めてね」
「それな」
「DNAはね」
 それはというのだ。
「一番大事かも知れないね」
「遺伝子か」
「そう、そこから君達のルーツがわかるかも知れない」
「だとすればな」
「絶対にだね」
「検査受けないとな」
 こう話してだった。
 薊達は身体検査を受けそして博士とも会うことにした、そのことを決めてからだった。 
 少女達は一旦智和の家を後にすることにした、智和は別れの時に少女達に言った。
「君達についての謎は多いけれど」
「それでもか」
「それがどんな謎でもね」 
 こう言うのだった。
「前を向いていれば」
「いいんだな」
「そう思うよ」
「ああ、落ち込まず嘆かずだよな」
「立ち止まってもね」
 そうなってもというのだ、どれだけ辛い状況になろうとも。
「それでも前を見ていればいいよ」
「そして前にか」
「うん、また足を出せばいいから」
「どれだけ辛くてもか」
「逃げることになるかも知れないよ」
 智和はこの時人生を見ていた、そのうえで少女達に語っているのだ。
「どうしようもなくて。それでも」
「逃げてもいいのかよ」
「逃げた先で態勢を立て直して」
 そしてというのだ。
「また前に進めばいいから」
「逃げてもって。それは」
「まあ最後の最後の場合はね。それも選択肢だよ」
 逃げる、そのこともというのだ。
「逃げたら駄目な場合もあるけれど」
「逃げていい時もあるのか」
「そうだよ、例えばどうしようもない暴力教師や配偶者だとね」
 よくある話だ、家庭内暴力は深刻な問題であるしそもそも教師という職業はこの世で最も暴力が咎められない世界である。
「逃げるしかないよ」
「最悪の事態になる前にか」
「命あってのこそだよ」 
 少なくともこの世ではだ。
「生きててこそだから」
「確かに怪人とのやり取りは真剣だけれどな」
 薊はその顔を険しくさせて答えた。
「一歩間違えたら死ぬし」
「そう、だからこそね」
「何かあった時はか」
「まずは生きることだよ」
 それを第一に考えろというのだ。
「生きていれば。事態は変わるから」
「それで状況が変わればか」
「そう、また前に進めばいいんだ」
「退いてもいいんだな」
「そうしないと駄目な時はね」
「そうか、最後に辿り着ければいいの
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