明日への翼
03 ……AFTER〜 天上界にて
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ルド。
「要職じゃない、随分買われたわね」
「え、そうなの?」
「あたり前でしょっ、ユグドラシルは世界の根源を支える重要なシステムなのよ。そのハードを管理をするってことは、世界の管理をするのと同じことなのよっ」
ウルドやペイオースなどシステム管理神とハードを管理するハード管理神達がいてこそユグドラシルが稼動しているのだ。
なるほどねえ……。
ニンマリと笑っているウルド。
楽しそうにベルダンディーを見ていた。
同じ神属として再開できたのも嬉しいだろうけど、好きな人が愛する人が神様に認められたのだ。妹の喜びは格別だろう。
スクルドが続ける。
「……いまの管理主任は「ミース」よね。だったら、お姉様、真っ先に彼のところに行くべきだと思うけど」
「ええ、そうなんですけど、まずはスクルドや姉さんに螢一さんを逢わせたくて」
ついでに、かの「ミース」殿は礼儀作法などが特に厳しいらしい。気軽に名前で呼び合う神属の間では非常に珍しいのだけれど。
一通りレクチャーしておかないとってこともあったのだろう。
螢一はベルダンディーと共に中央の館に移ると、彼女から立ち居振る舞いの講義を受けた。
「難しく考えることはありません。相手を敬う心が一番ですから」
なかなか覚えがいいですね。
螢一としては、ベルダンディーに恥を掻かせたくないので必死、みたいなことろがある。
しばらくの時間をとって、休憩をしてから、転移術で管理神の「ミース」の館へ跳んだ。
跳ぶ、といってもさすがに館の内部への直接の跳躍はエチケット違反らしく、館を見下ろせる空中に転移した。
「あれが……?」
「そうです」
空中に浮かぶのは、三女神達の住居全体と同じくらいの規模の、まさに空中宮殿だった。
螢一はその規模に唖然としている。
「神様ってみんなこんなに豪華な暮らしをしてるのか」
「人それぞれですよ。リンドなどは「他力本願寺」の母屋と同じぐらいの家に住んでます」
荘厳で豪奢な門の前に立つと、待っていたかのように、門が開いてメイド服の少女が現れた。
どうやら妙な流行が生まれてしまったらしい。
「いらっしゃいませ」
黒髪の少女に導かれて通された場所は、部屋というよりも森の中だった。
樹齢数百年にもなるであろう立ち木が並ぶ場所で、小さなテーブルを前に椅子に腰掛けて待つことしばし。
正面の扉──といっても、五十メートルぐらいの距離があるのだが、開いて男性神が一人で室内に入ってきた。
「お待たせしました。一級管理限定神ミースです」
ベルダンディーは椅子から立ち上がると、床に膝を突き胸に手をあて優雅に一礼をした。
螢一は慌てて彼女に習って、床に膝を突き胸に手をあて頭を下げた。
「一級神二種非限定ベルダンディー、突然に失礼します。
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