明日への翼
03 ……AFTER〜 天上界にて
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品。つけている天使は「灼熱の狼/Burning of wolf」男性の天使で、赤髪、短髪、赤い衣装(ってか腰から下だけの赤い布上のもので螢一と繋がっている)翼の色も基本白だけど影になる部分や枠線が薄い赤である。
「いや、螢一でいいよ。真名で呼ばれてもいまひとつぴんと来ないからさ」
可笑しそうにペイオースは口元に手をあてて笑っていた。
「確かに、「螢一さん」がしっくり来ますわね。今日はどうされたのですか」
「実はさ……」
「なるほどそれでこんな場所に」
「──とはいえ、なんにしたらいいのか。恥ずかしい話なんだけど、地上界にいた頃には贈り物なんてあまりしたことなかったからね」
まったくこの人は、
ペイオースの苦笑。
「「贈る」のはなにも物である必要はありませんわ。ベルダンディーだけではなく、螢一さんと接した女神はみんなあなたから大切なものを贈っていただきました」
だから、そんなあなただからこそ、いまこうして天上界(ここ)にいるのかもしれませんわね。
「大切なのは「贈る想い」ですわ。ベルダンディーは螢一さんからの指輪をとても大切にしているのでしょう?それは「想い」が篭められているからですわ──とはいっても、あまりにも陳腐なものでは困りものですわね……あたくしでよろしければ相談に乗りますわよ」
「助かるよ」
「ところで螢一さん、明日は昇格試験ですわね」
「……ははっ、頑張るよ」
「これは本当は話してはいけないことなんですけど……明日の試験官はあたくしなんですの」
「ほんとに?ペイオースが?」
「一級神は嘘を申しません」
「だったね、お手柔らかに」
「ふさわしくないと思えば迷わず落としますわ」
ふんぞり返って胸の前で腕を組むのに肩をすくめてみせた。
「だと思った」
翌日、螢一の試験が行われ、無事に合格した。
合格の報告と挨拶に「ミースの館」へ戻った。
「正直、驚いてるよ。僕のはじめの予想より一ヶ月も早かったからね」
「待っている人がいますから」
「──だったね。二級神になったのだから、本来なら僕の元を離れて独学で勉強を続けるか、それとも別の先生につくかするべきなんだろうけど……どうだい?このまま僕の元で学んでみないかい?」
「えっと、それはつまり「実習生」として受け入れてくれるんですか?」
「もちろん、ユグドラシルの仕事はこなさなきゃいけないし、なによりもベルダンディーと君の生活に支障のない範囲でだけどね」
後になって聞いた話によるとこれはかなり「異例」なのだそうだ。
本来なら「実習生」を取るのはよほど余裕のある一級神だけだ。
ベルダンディーという特別な例を除いて。
ましてや、ミースが「実習生」を取るのは稀である。
ついてこれなければ容赦なく見放されてしまう。
かくて「ノルン
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