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とあるβテスター、奮闘する
つぐない
とあるβテスター、嗚咽する
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エフェクトを纏った。
腰だめに構えた斧槍へと力が集約され、その強大さを示すかのように深緑の光が膨れ上がっていき───

「うらあああああっ!!」
気合一閃、溜めに溜めた力を解放し、回転を加えた斧槍をがら空きの胴目掛けて突き出した。

両手槍 重単発刺突技《ヘリカル・ドライバー》

使い手が溜めた力に加え、螺旋回転による貫通力が加わった強力な突き攻撃だ。
二人がかりの攻撃を受けながらもアラームを鳴らし続けていた時計怪人は、この攻撃によって既に危険域まで落ち込んでいたHPの残りを全て奪われ、ポリゴン片を撒き散らしながら消滅していった。

「……ったくクソ野郎が、余計な手間かけさせやがって」
「まだだよ、リリア。次は向こうだ!」
「だああああ、めんどくせぇ!とっとと片付けるぞ!」
増援を呼ばれる脅威はなくなったとはいえ、まだシェイリが一人で戦っている。一息つくのは敵を全滅させてからだ。

休む間もない連戦によって滅入った気分を奮い立たせ、両手にナイフを構えた。
そうして、残った時計怪人と戦うシェイリに加勢するべく、そちらへと視線を移し───

「あ」
「あ? ……ばっ!?」
「ん〜? あっ」
た、その時。
シェイリの攻撃によってHPをイエローゾーンまで減らした時計怪人が、床に蹲る姿が見えた。
一拍の後、部屋にアラーム音が鳴り響く。


ジリリリリリリリーン。
ジリリリリリリリーン。


「………」
「………」
「また鳴っちゃったね〜……?」
どすんどすんという足音がどこからか聞こえてきた。それもさっきとは違い、今度は複数の足音だ。
僕たちが呆けている間にも、足音はどんどん大きくなっていく。
窮地に陥った仲間を救うため、ビキニパンツ姿の変態たちがこの部屋へ殺到しようとしている音だった。

「……まじですか」
「俺、もう帰りてぇ……」
「ユノくん、どうしよっか?」
丸太のような腕で顔を覆い隠し、駄々っ子のように地面に蹲る筋肉の塊。
その姿を眺めたまま呆然と立ち尽くす僕。
涙目で弱音を吐くリリア。
困ったように笑うシェイリ。

───よし、逃げよう。

どすんどすんという足音が部屋の近くまできていることを感じながら、僕たち三人は元来た方向へと全速力で駆け出した。
やってられるかっ!!


────────────


迫りくる変態の群れから逃れるべく、それまで戦っていた部屋を飛び出した僕たちは、通路の突き当たりに位置する安全エリアへと駆け込んだ。
白い壁で囲まれた小部屋に無事到着したことを確認し、安堵の溜息をつく。
時計怪人がアラームを鳴らす確率はそう高くないはずなのに、連続でハズレを引いてしまうなんて。我ながら運がいいのか、悪いのか。
こんな低確率を連続
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