真相
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族は傷つき、土地は荒れ、待ち伏せしていた管理局は主と騎士達を取り込んだ闇の書に極大封印魔法を発動してきた。何らかの方法で先代主は表に出た私と入れ替わり、抵抗する事無く封印魔法の直撃を受けた。だが闇の書は暴走を続けて戦艦一隻を飲み込み、管理局員一人を犠牲にしながらアルカンシェルの直撃を受け、消滅したその代の闇の書は新たな主の下へと転生機能が発動した……」
「その新たな主が、何の因果か私の手元ってことやね……」
「はい。そして先代主の家族がその後、どうなったのかまではわかりません。ただ歴代の主の家族と同様に、家系ごと途絶えてしまった可能性が高いです。……私達は、主はやてと同じような温かさを持っていた先代主と、その家族の幸せを壊してしまったのです。今回、兄様が……闇の書の中身を破壊してくれなかったら、私や騎士達はまたしてもこの幸せを壊してしまい、あまつさえそれを忘却の彼方に追いやってしまっていたかもしれないのです。主はやての事も、下手をすれば全て忘れていたかもしれないのです! もし……もし兄様がいなかったらと思うと……か、身体が震えて止まりません……!」
「リインフォース……大丈夫、もう大丈夫や。皆が幸せを不本意に壊すような事はあらへん。闇の書はサバタ兄ちゃんが夜天の魔道書に戻してくれた、だからこれ以上怖がることなんて無いんや……」
自分の身を抱いて肩を震わせるリインフォースを私は両腕を回して抱き、背中を優しく叩いた。騎士達も過去を覚えていないという事実がどういう意味を持つのか、それを明確に理解した事で私とリインフォースの所に集まってきた。皆を自覚なしに主を殺す手伝いをさせる性質の悪い呪いは……もう無いんや。
「いえ……いえ……! 私は……彼には私の……! あぁ……ぁぁ……!!」
もう彼女達に呪いは無い。なのにリインフォースは何かを悔いるように懺悔の言葉を呟き続けていた。事情を知らない私は、それが歴代の主達に手向けたものだと思っていた。だけどリインフォースが謝罪していた相手が本当は誰だったのか、それを知ったのはまだ先の頃だった……。
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〜〜Side of サバタ〜〜
「これが……SEED製造機」
専用エレベーターに乗って、俺は地下5階に到達した。この空間は施設の地下が島の外を貫いて飛び出している事で、ガラス張りの壁の向こうに氷河が見えた。SEED製造機は部屋の最深部に設置されていて、恐らく製造時に発する熱の冷却に氷河の冷たさを利用しているのだろう。
写真を撮りながら見てみると、SEED製造機は無数のパイプの隙間から蒸気の煙を常時放出しており、それが見た目上で物々しい威圧感を醸し出していた。並の人間なら、ただの機械相手にどうしてここまで怖気が走るのかわからずにいるのだろうが
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