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リリなのinボクらの太陽サーガ
真相
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らね、忙しいのにあんま邪魔する訳にもいかんやろ?」

「通信機の意味がありませんね、それ。大体あの通信機は兄様が持って行ってるので、今ここにはありませんよ」

「ま、どっちかっちゅうとサバタ兄ちゃんの力の性質上、建前で渡しているだけって感じやったし、実際に使う事は考えとらんかったんちゃう? なのはちゃんのはフェイトちゃんと話すための物やし、あっちは使い道が明確になっとるからええねん」

「ええ。それにしても結局、問題はどう管理局の人と穏便に連絡するか、に戻ってしまいましたね。せっかく気分一新したのに、色々出だしから躓いていますね……」

『はぁ〜……』

さっきまでシリアス気味な会話をしとったのに、急に力が抜けるような状況になってしまったから、もうなんか皆してため息が出てしまっとる。こりゃサバタ兄ちゃんが帰って来るまで手つかずかなぁ……。

「……そういや皆って、昔の事とかどれぐらい覚えとるん?」

「恥ずかしながら実の所、私達は過去の主達の顔も覚えていないのです。どんな命令を受けて、どのような事をしてきたのか、それらは霧がかかったようにうろ覚えで、はっきり思い出せないんです。管制人格として中から見てきたリインフォースは覚えているかもしれませんが……」

「流石に私も完璧に覚えている訳では無いのですが……一応、先代までは少々記憶に残っています」

「先代って、私の前の主のこと?」

「はい。思い返せば主はやてと同様に、彼もまた家族思いの人間でした。管理外世界の人間なので闇の書の事も知らず、妻と娘に恵まれた温かい家庭でした」

「ちょい待ち。先代って家庭持ちだったん!? しかも父親だったんか!?」

「ええ、立派な父親でしたよ。突然現れた騎士達の事は当然驚きはしていましたが、時間をかけて家族の輪の中に受け入れてくれました。一時は奥様と騒動が起きましたが、時間をかけて説明して何とか丸く収まりました」

「そりゃあ、夫がいきなりたくさんの女性を連れてきたら妻としてはビックリして当然やなぁ。あんた浮気かっ!? みたいに昼ドラにありそうな騒動があったんやろうね……」

「ふふ……まあ多少ゴタゴタしましたが、結局は娘のおかげで夫婦の絆が深まる結果になりました。要するに惚気です」

「あらま、やっぱ愛は不滅っちゅう訳やね」

「ええ。それで願いを叶えると言われると、彼らはまだ幼い娘の健やかな成長と幸せを願いました。あまりにも健全で微笑ましい願いを騎士達は快く受け入れ、主に気付かれず、人目に付かないように魔力の蒐集を始めました」

「先代……あたし、全然覚えてねぇ。なんでせっかく会えた良い主の事を、あたしは思い出せねぇんだ……」

「ヴィータは蒐集の合間によく主の娘の面倒を見ては、嫌々ながらも本当は嬉し
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