真相
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流れてしまう。今更自覚したけど私、サバタ兄ちゃんに依存しとる。サバタ兄ちゃんがいないと、心が沈んでしまう。両親以外の人で、初めて“愛”を注いでくれた人。彼の傍にいると、私の心が自然と温かくなる。それはフェイトちゃんも同じだろう。だからこうして離れていると、私はいつもの私でなくなる……半分虚ろな人形になりかけてしまう。
「……はやて」
「あ……ああ、ゴメン、ヴィータ。私は大丈夫や。身体は健康やし、足もリハビリの甲斐あって少しはまともに動かせるようになってきた。な〜んも心配いらんで」
「そんな訳ねぇだろ。兄ちゃんが出かけてから、はやてに元気がねぇ事ぐらい、フツーに気付くっての」
「主……私達も主の気持ちは我が身のようにわかります。彼がいないと、この家は中途半端になってしまう。どうしても温かさが欠けてしまうんです。私だって……気づけばいつの間にか彼の安否を考えてしまっています」
「リインフォースもか……やっぱ私らは似た者同士なんやね。というより、サバタ兄ちゃんのおかげで救われた人全員が同じ気持ちなんやろうな」
「そして彼は……我らに静かな生活を与えるためにあらゆる手を尽くし、こうしてミッドチルダに行ってくれた。しかし……本当にそれで良いのだろうかと、我はずっと考えていた」
「ザフィーラも同じ事を考えていたか。騎士として間違った所業をしてきて、確かに私達は苦しんできた。しかし私達が手にかけてきた者達に一切償う事も無く安寧を得てしまって、それでこの先も騎士として胸を張って生きられるのか……誇りある騎士である私達が、罪から逃げるような真似をして暮らせるのか、とな」
「そうね……私達の手には数えきれない人達の血がこびりついている。過去の主の命令もあるとはいえ、犠牲にしてしまった彼らに何も報いる事無く暮らす事なんて、今は良くても次第に罪の意識が積み重なっていくわ。それではきっと、本当の意味で静かな生活を送る事は出来ない」
「みんな………みんなもやっぱり何もせずにいるのは我慢ならへんのやな。うん……それは私も同じ。本当なら過去の主達の罪を、私が背負う必要はないのかもしれへん。せやけど皆と家族としてやっていくには、どうしても闇の書の罪は償わなくてはならないものなんや。色々頑張ってくれたサバタ兄ちゃんには悪いけど、私が闇の書の主で、皆がその守護騎士だってこと、ちゃんと話そう。ちゃんと話して、私達が敵ではない事、色んな人に謝りたいって事、しっかり理解してもらうんや。きっと私や皆は、過去の被害者達から色んな暴言とか言われたりするんやと思う。当然や、許されない事をしたら誰だって怒るもん。でも……罪から目を背けたら、本当の幸せを掴む事なんてできひんのや。私は……今度こそ戦う。あの時のように何も出来ず、見てるだけ、祈るだけはもうイヤなん
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