真相
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、暗黒の戦士である俺ならわかる。
「この機械の仕組みに……ダークマターが使われている!?」
「その通り……これはある画期的な物質を利用したものなのだよ、暗黒少年」
SEED製造機の影から現れたのは、高級そうな白いスーツに身を包んだ男。アレクトロ社代表取締役にして社長、イエガーその人だった。全てを見下しているかのように獰猛な笑みを浮かべている彼は、余裕粛々な様子でこちらの眼を見てくる。
それより俺は、奴の放った言葉に引っかかりを覚えた。
「画期的な物質だと?」
「そうだ。宇宙を構成する物質であるダークマター、それを有効活用する方法を思い付いてな。そこから私はSEEDの基礎アイデアを思い付いた。SEEDは装着すれば過去に存在した優れた人間の能力を、その者の遺伝子を介してコピーする。だがな、冷静に考えてみろ。いくら次元世界であろうと、ただの科学技術でそんな事が実現できるわけが無いだろう? 人間の遺伝子から読み取れるのは、その人間の個体情報やDNA配列、塩基配列、ヒトゲノムといった遺伝情報ぐらいなものだ。その人間が築き上げてきた能力や技術、ましてや記憶や経験を模倣する事なんてまず不可能、理論上あり得ないのだ」
「だがこれまで俺が会ってきたSEED使用者は、記憶はともかく、能力や経験、技術はほとんど模倣出来ていたように見える。それはどういうカラクリだ?」
「そう、そこが重要なのだ。死者の遺伝子にダークマターを混ぜると、反生命変化を示す。貴様達が俗に言う吸血変異、アンデッド化を科学用語で表したのがこれだ。そして反生命変化した遺伝子は、驚いた事に本来人間が記憶を入力する事は出来ないイントロン下から、ある情報を引き出せるようになる。その情報こそが、遺伝子元の人間の能力と経験、技術といったものを含んでいるのだ。SEEDはその情報を使用者のDNAに上書きして、あたかも死者の能力をコピーしたかのように見せている訳さ」
「………しかし暗黒物質に侵された遺伝子を体内に取り込めば、時間を置いてアンデッド化するのではないか?」
「それは半分正解だ。貴様が戦ってきたFOXHOUNDのSEEDを使った者達はFOXDIEに感染して死ぬ。せっかくシャドーモセスまで行かせて回収してきたというのに、こんな誤算があるとはな……だがそれは仕方ないと割り切るさ。さて、SEEDには首輪の意味で麻薬を仕込んであるが、麻薬があろうが無かろうが、結局使用者を破滅させる事に変わりはない。それは今貴様が言った様に、反生命変化した遺伝子情報もコピーするのだから、使用者の遺伝子も時間をかければ徐々に反生命変化していく。しかし完全に変化する訳でもないから、途中で肉体は全て砂状に朽ちる。つまり、アンデッドになる前に消滅するのだよ」
「そんな代物を……おまえはどうい
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