第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月二日:『交わる道』
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に走り込んでいる学ランの背中と、入れ違いに横に立った仲間の姿を見た。
「大丈夫か、駒場? あんたが膝ァ突くなんて……」
「……心配するな……一撃貰っただけだ……半蔵」
「そうか、ならいいんだけどよ。しかし相変わらず無茶な奴だな、あの“裏柳生”は」
もう、何ともなさげに立ち上がった利徳と共に路地の隙間に逃げ込みながら。服部 半蔵は、既に見えなくなっている『誰か』に対してそんな事を口走って。
走り出た通り、其処にエンジンを唸らせる一台のバンのスライドドア。まるで待ち侘びるように開かれていた其処に、走り込んだ。
「ずらかるぞ、浜面! 風紀委員に見付かった!」
「オイオイ、ヘマ打ってんなよなァお二人さん。しかも警備員ならともかく、風紀委員って……」
呼び掛けた運転席から返った軽薄な科白は、ブリーチした髪の少年のもの。ドアを閉めた二人に向けてサムズアップした浜面仕上は、間髪入れずにアクセルを目一杯に踏み込んで。
「馬鹿野郎、あの時の風紀委員なんだよ! “裏柳生”の!」
「ああ……一月の時の……南蛮渡来の風紀委員だ」
「……マジかよ、あの不良風紀委員?! え、じゃあまさかあの化け物警備員も!?」
「「アッチが居たら……今頃はここに居ないだろ」」
「ごもっとも……嫌な汗掻いたぜ……ん?」
危うくハンドル操作を誤りそうになるくらい取り乱しかけた仕上だが、ふうと溜め息を吐いて何とか気を取り直したらしい。
落ち着きを取り戻した彼はカーナビに従って高速に入ろうとハンドルを切り────行く手を遮るように目の前に停車した、助手席に花束でも積んでいるらしい軽車両を見る。両横には分離体があり、通るのは無理だ。
「チッ……何やってんだ、邪魔だな! さっさと退けよ!」
クラクションを一回、二回。更に長押ししてパッシング。それでも前の車両は動く気配はなく。
サイドミラーに見える後ろの車両、黒っぽいトラックも直ぐ其処まで迫っていて。
「……おい、半蔵……」
「ああ。な〜んか……嫌な予感してきたんだが」
辺りを見回す。昼間だと言うのに、他の車がない。まるで、交通規制でもしているみたいに。
そして、カーナビの画面に────
『“You are guilty” by-Goa
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