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とあるβテスター、奮闘する
つぐない
とあるβテスター、待ち合わせる
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に重点を置くとのことだった。鍛冶師はあくまで副業という位置に落ち着いたようだ。

「でも少しだけ勿体無いよね。リリアちゃんお手製のチャクラムなんて、コレクターに高く売れそうなのに」
「やめろ、ゾッとするようなこと言うんじゃねぇ!!」
出会い頭にイラッとさせられたお返しとして、彼のトラウマを少しだけ抉ってみた。こうかはばつぐんだ!
実は一部の武器コレクターからアルゴへ、「鍛冶師リリアの行方を追って欲しい」との依頼が来ているそうなのだけれど、このことは本人には伏せておくことにしよう。
アルゴとしても流石に気が引けるらしく、今のところ適当に言葉を濁して誤魔化しているそうなので、当分の間、彼のプライバシーは守られることだろう。

「大体、チャクラムなんざ不人気武器もいいとこだろ。売れもしないモン作る馬鹿がいるかってぇの」
「くぅ……」
悔しいけど、何も言い返せない。
専用スキルの熟練度を1から上げる手間に、武器作成にかかるコスト。そこまで苦労して作ったところで、ほとんど買い手がつかないという需要の低さ。
例え鍛冶師を専業としているプレイヤーでも、よほどの物好きでもない限り、斬撃や刺突といった主流武器の作成スキルを鍛えるだろう。
これから職人クラスを目指すプレイヤー達は言わずもがな。チャクラム使いはどこまでも不遇なのであった。

「チャ、チャクラムだっていい武器だよ!投げれるし殴れるし!」
「ハッ、オマエが殴るとか。是非とも見てみたいモンだ」
「くっ……!」
語尾に(笑)とでも付きそうな嘲笑い方をされた。く、悔しい……ッ!

「……つーかオマエ、なんでそんなに近接戦闘が下手なんだ?わざとやってんのか?」
「わざとじゃないよ!精一杯やってるよ!」
「………」
や、やめろ、そんな目で僕を見るな!
そんな、「それはひょっとしてギャグで言ってるのか?」とでも言いたさそうな目で僕を見るんじゃない!!

「……まぁ、誰にでも得手不得手はあるとはいっても、なぁ? 極端すぎんだろ、オマエ」
「い、いや、だって、間合いとかタイミングとかさぁ……ちょっと難しいというか……」
極端なのは嫌というほど自覚しているし、できることなら僕だって前に出て戦ってみたい。
だけど、例え前に出たところで、敵の攻撃を避けきる自信がない。
別に運動が苦手とか反射神経が人一倍悪いとか、そういうわけでもないんだけどなぁ……。

「つってもオマエ、敵の動きも見切れねぇのに何でナイフはあんなに当たるんだ?俺にはそっちのほうが意味わかんねェよ」
「それは、こう……なんとなく?」
「……は?」
投剣スキルを発動させてから敵に当たるまでには、少しラグ(遅延)がある。
当然ながら、相手との距離が長ければ長いほどラグは大きく、反対に、ナイフの投擲速度が速け
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