つぐない
とあるβテスター、待ち合わせる
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なっているらしく、《刺突武器作成》スキルで作ることができる。
僕は重量と威力のバランスが取れているという理由でスローイングダガーを愛用しているけれど、当たり判定が小さくなるかわりに貫通力の高いピックや、漫画などで忍者が使っているような苦無《クナイ》も作成することができるので、一口に投剣スキルと言っても、どれを使うかはプレイヤーの好みによるところが大きい。
個人的にクナイは格好いいと思うのだけれど、ナイフやピックに比べて重量があり、大量に持ち歩こうとするとストレージが圧迫されてしまうという理由から、実戦に取り入れることを泣く泣く断念したのだった。
それに、噂によるとSAOで忍者をロール(MMORPGにおいて、プレイヤーがその役割になりきって演じること)しているギルドがあるらしく、クナイや体術を用いた“忍者のような戦い方”をするプレイヤーを見かけると、やたら対抗意識を燃やしてくるのだとか。ちょっとめんどくさい。
そして、肝心のチャクラムはというと。
厄介なことに、この武器カテゴリだけは別枠扱いとなっていて、《投擲武器作成》というスキルが必要になってしまう。
てっきり斬撃か打撃に属する武器だと僕は思っていたのだけれど、投擲に加えて打撃、もしくは斬撃といった複数の要素を持つ武器の特性からか、チャクラムの作成には専用の鍛冶スキルが設けられているようだった。
この専用スキルというのが曲者で、鍛えているプレイヤーがなかなか見つからない。
SAOでの主流は近接戦闘なのだから、わざわざ使い手の少ない武器の制作スキルを上げようとする人が少数派なのは仕方がない……のだけれど。
僕のようにメインウェポンとしてチャクラムを使うプレイヤーにとっては、プレイヤーメイドの武器の流通がないというのは結構な痛手だ。
チャクラム系統の武器はNPCの武器屋で店売りはしておらず、鍛冶師プレイヤーによる作成ができないとなると、後は敵のレアドロップを狙って手に入れるしかない。
そういった入手の難しさのせいで、チャクラム使い自体の数は少ないものの、市場に出回っているドロップ品は軒並み高額という悪循環が出来てしまっているのだった。
僕が今使っているチャクラムだって、数日がかりでプレイヤーの露店を探し歩き、ようやく見つけた(しかも価格は相当ぼったくられた)ものだ。
リリアに頼んでスキルを取ってもらおうかとも思ったけれど、彼のスキルスロットのほとんどは生存能力を高めるスキル(罠解除、隠蔽、バトルヒーリングetcetc...)で埋まっているため、ただでさえ臆病な彼に、それらを削除してまで強要するということはしたくない(というより、頼んだら本人がマジ泣きしそうなのでやめておく)。
もともと彼は攻略組志望なので、僕達とパーティを組むようになったこれからは、戦闘系スキルを鍛えるの
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