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とあるβテスター、奮闘する
つぐない
とあるβテスター、待ち合わせる
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整えていく。
今まで着ていた部屋着が光に包まれ、代わりに半袖の黒いインナーが装着された。両肩に掛けられたショルダーホルスターのストラップが胸の前で交差し、上から装着された胸当てによって隠される。
両脇の下に固定されたホルスターには、投擲用のナイフをそれぞれ5本までセットできるようになっている。
更に腰のベルトの左右に4本ずつナイフを吊り下げ、背面部のポーチには実体化させた転移結晶などの緊急時に使うアイテム類。
左の太もも巻き付けた革のベルトには、リリアから譲り受けた《シャドウピアス》の鞘を装着(戦闘で使うことはほとんどないと思うけれど)。
先日購入したチャクラムは、右腕に嵌めた金属製のガントレットに重ねてベルトで固定。このガントレットは肘から手首までの前腕部だけを覆うタイプのものなので、投擲の邪魔になることはない。
最後にフード付きのマントを着込めば、戦闘用装備の完成だ。

「ん。準備おっけー」
武器の類がマントで隠れていることを確かめ、ホルスターからナイフを抜いて投げるまでの一連の動作を素振りで数回行ってから、フードを浅く被った。
深く被れば顔を覆い隠すこともできるのだけれど、この前のお茶会で、ルシェから「顔隠してると逆に怪しいですよ!あたしなら真っ先に警戒します!」という手痛い一言を頂戴したため、最近はあまり深くは被らないようにしている。
その発言の直後、「あ!で、でも、ユノさんは最初に会った時から怪しかったですよ!あたしはユノさんが見た目怪しい人でも気にしてませんから!!」という、フォローなのかそうじゃないのか判断できない慰め方をされたけれど、地味にショックだったのは言うまでもない。僕、そんなに怪しい奴に見えていたのか……。

後に、友人知人にも聞いてみたところ。
シェイリには「ユノくん、今更だよー?」と笑顔で言われ。
リリアには「オマエ、気付いてなかったのかよ……」と真顔で言われ。
クラインからは「あー、その、なんだ……おめぇさんも色々あって大変だったんだろうから、仕方ねぇよ、うん。あんま気にすんなよ、ユの字」と気を遣われてしまうという、何とも散々な評判だった。正直泣きそうだった。

ちなみにアルゴは爆笑だった。
話を聞くなり「にゃ、にゃハハハハ!ユー助、冗談きついヨ!冗談ダロ、今まで気付いてなかったトカ!オネーサンを笑い死にさせるつもりカ、にゃハハハハハハッ!!」と、目尻に涙まで浮かべての大爆笑だった。
ぶっ飛ばしてやろうかと思ったけれど、僕の格闘センスじゃ返り討ちに遭うのが目に見えているのでやめておいた。
あの女、情報だけが取り柄かと思いきや、ああ見えて意外と実力派だったりする。
敏捷値に特化したステータスと、小型のクローを用いた格闘戦を得意としているので、近接戦闘では勝ち目がないだろう。
ましてや彼
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