暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico15幸を願う者には福が来る
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チンクと一緒に奥のトランスポーターが設けられた部屋に移動。チンクが転移先である八神邸へと転送されるよう設定している後ろ姿を見守っていると、「今日、グレアム元提督の使い魔、リーゼ姉妹が八神家へ飛んだ」そう話かけられた。

「リーゼ姉妹が・・・」

ドクター・スカリエッティはもちろん、チンクらシスターズも“闇の書”の一件の真実をすべて承知している。それに、グレアム元提督が何を企んでいたのかもドクターは察知していた。大した情報収集能力だ。

「何をしに行くかは訊いて・・・?」

「アインスに挨拶をしに行く、とだけだ」

「挨拶、か。2人はこっちへ戻って来たんですか?」

「ああ。すでに帰還している。今はどこに居るから知らないが」

「そうですか・・・」

アインスの先がもう無いことは、クロノからの報告書でグレアム元提督たちも知っていると聴いている。挨拶に行ったというのは、おそらくそれが理由だろうな。今さらアインスに危害を加えるとは到底思えないし。

「はやてにはまだ伝えないのか、グレアム元提督たちの事を」

「知らない方が良い事もある、と思う」

先の次元世界では事件後すぐに明かされたが、今回は元提督たちの暴走を初めから食い止めることが出来た。だからはやて達にとっては財産管理をしてくれた恩人という立ち位置だ。そこにわざわざ自分たちを犠牲にすることを企んでいたんです、なんて伝える必要はない。

「・・・まぁ、その辺りについては八神家の参謀(おまえ)がいろいろと考えればいいさ。・・・さぁ、設定完了だ。いつでも転送できるぞ」

「ありがとう。お願いします」

トランスポーターへと入り、俺は八神邸へと転送された。一瞬の視界閉鎖。次に視界が開けた時はもう八神邸2階の物置部屋に設置されたトランスポーターに到着だ。物置部屋から出て階段を下りて行く。

「はやて? ただいま」

「おかえり、ルシル君・・・」

階段下で俺を出迎えてくれたはやてだったが、どうして小声なんだろうか。リビングダイニングからはリインやなのは達の声が漏れ聞こえて来るが、はやてと同じように声量を落として喋っているようだ。

「何かあったのか? みんな声が小さいけど」

「アインスがな・・・」

はやての口からアインスの名前が出た時、瞬時にリーゼ姉妹の姿が脳裏を過ぎった。だから「アインスに何かあったのか?」少し緊張しながら訊ねた。するとはやては首を横に振って、そうではない事を教えてくれた。

「アインスな、どうゆうわけか解らへんけど、ルシル君の部屋で爆睡してるんよ」

「あー、だからみんな小声なんだな〜」

はやてと一緒に俺の部屋へと向かい、音を立てないように気を付けて扉を開ける。確かにアインスが俺のベッドでぐっす
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